「421」家族の解決急げ

 

計画生育政策は中国と世界のために大きな貢献をしたと同時に、日増しに際立つ矛盾と問題をもたらした。第1次一人っ子世代が結婚し、独立し始めるにつれ、彼らの両親はすでに高齢期直前の段階へと突入している。4人の高齢者、そのそれぞれの子どもが夫婦2人となり、彼らが出産できる子どもは1人という「421」家族が徐々に増えてきた。

今年33歳になる謝珂さんは広東省仏山市のある会社で働いている。謝さん夫婦は数年前、陝西省の南にある小さな都市から広東に来た。2人はすぐにそこでの生活に慣れ、仕事においても自分の居場所を見つけることができた。しかし、一人っ子のため、故郷に残した両親を常に気にかけ、数日に一度は電話をしている。「両親はすでに高齢者となりました。たとえ、少し調子が悪くなったとしても看病することはできず、ただ、心配するばかりです。私は両親と一緒に仏山に住みたいと思っています。両親は1度、1カ月ほど来たことはあるのですが、ここの食べ物や気候に慣れない上に、普段一緒に立ち話をする友人すらいないと、すぐに帰ってしまいました。でも、たとえ両親が近くにいたとしても仕事があまりにも忙しく世話をすることは、やはりできないでしょう」。謝さんは心配そうな表情を見せた。

謝さんと同じように、最近では大部分の大都市に暮らす「421家族」の一人っ子らは両親の老後問題を考えないわけにはいかない。「子どもを育てられない」という憂慮だけではなく、「年老いた両親の面倒をみられない」という問題に直面している。

中国社会での伝統的な老後の扶養は、家庭内でのものだった。「老後のために子育てをする」とは長年、理に適った名言として伝わってきていた。しかし、社会の発展および家庭構造の変化に伴い、一人っ子に高齢の両親の面倒をみる力がないという矛盾が徐々にではあるものの、顕著に現れてきた。2人の若者が4人の老後をみるという責任は重く、家庭での高齢者問題に更なる難しさを増している。

国連の高齢化社会の標準に照らし合わせてみると、中国は2000年から高齢化社会に突入している。統計によると、2013年末までに、中国における60歳以上の高齢者人口は2億200万、総人口の14・9%を占める。その中で、65歳以上の人口は1億3100万おり、総人口の9・7%を占めている。国連の予測によると2020年までに、中国の65歳以上の高齢者人口は1億6700万に達し、世界の高齢者総人口の約24%を占めることになる。その時には、全世界の4人に1人の高齢者が中国人ということになる。

それ以外にも、性別の不均衡、一人っ子を失ってしまった家庭、労働者不足など、日増しに問題があらわになってきている。これらは、計画生育によって生み出された「マイナス結果」と言えよう。そのため、2人目出産緩和、さらには、計画生育取り消しの声が徐々に高まっている。(文=張春侠)

一人っ子を失った樊桂琴さん(右から2人目)夫婦の家を訪ね、一緒に餃子を作る河北省張家口市橋東区の工業路町事務室のボランティアたち

 

人民中国インターネット版 2015年1月

 

 

 
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