国務院が発表した10条の大気汚染防止策

 

2013年9月12日、国務院は「大気汚染防止行動計画」を発表した。これは現在、そして今後一定期間内における大気汚染への対応を展開するためのガイドラインとなっている。5年間、全国の大気質を全体的に改善し、重度汚染の日数を大幅に減少させる努力をすることで、北京・天津・河北地域、長江デルタ、珠江デルタなどの地域の大気質は明らかに好転する。5年間或いは更に多くの時間をかけ、次第に重度汚染日という問題を解消し、全国の大気質がはっきりと改善されるようにする。これらの目標を実現させるために、同計画は具体的な措置として以下の10項目を制定した。

第1に、汚染排出物を削減する。小型石炭ボイラーを全面的に取り締まり、重点業種の脱硫黄、脱硝石、除塵の設備改造を加速させ、都市部の飛散粉塵を防止する。燃油の品質を高め、「黄標車」(大気汚染になるガス排出量が多い車)の淘汰を、期限を定めて実現する。

第2に、高汚染・高エネルギー消費業種の生産能力拡大を厳しく規制し、1年前倒しして、「第12次5カ年規画」から立ち遅れている鋼鉄、セメント、電解アルミニウム、板ガラスなどの重点業種の生産能力の淘汰を実現させる。

第3に、クリーン生産を大いに推進させ、重点業種の主要な汚染物質排出強度(単位国土面積当りの年間排出量)を2017年までに30%以上低下させる。また、公共交通機関の発展に力を入れる。

第4に、エネルギー構造の調整を加速し、天然ガス、石炭由来のメタンなどのクリーンエネルギーの供給を拡大する。

第5に、省エネ・環境保護指標の拘束力を強め、エネルギー消費アセスメントと環境影響評価審査を通過しないプロジェクトは一律に着工を認めず、土地や融資を提供したり、電気や水道を供給してはならない。

第6に、奨励と規制をセットにした省エネ・排出削減の新メカニズムを推進し、汚染排出費用の徴収に一層力を入れる。同時に、大気汚染防止プロジェクトへの融資支援を拡大させる。国際協力を強化し、環境保護・新エネルギー産業の育成に力を入れる。

第7に、法律や基準を以って、産業の発展パターンの転換・アップグレードを行う。重点業種の排出基準の制定・改正を行い、大気汚染防止法などの法律の改正を提案する。重度汚染業種企業の環境情報強制公開制度を構築する。重点都市の大気質ランキングを公表する。違法行為に対する処罰を一層厳しく行う。

第8に、北京・天津・河北を含む環渤海地域、長江デルタ、珠江デルタなどの地域が協力して大気汚染防止に取り組むメカニズムを構築し、人口が密集している地域および重点大都市での微小粒子状物質(PM2・5)への取り組みを強化し、各省(自治区、直轄市)の大気環境問題対応に関する目標責任を考査及び評価する体系を構築する。

第9に、重度汚染日を地方政府の緊急事件対応管理の対象とし、汚染のレベルによってはタイムリーに重度汚染企業の生産及び排出を制限し、自動車の走行制限などの措置を講じる。

第10に、全社会が「息を合わせ、共に奮闘する」という行動ルールを確立し、地方政府は管轄区域内の大気質について統括的な責任を負い、企業が主体となり、汚染を防止する責任を確実に負わせる。国務院の関係部門が協力して、節約、そしてグリーンな消費方式と生活習慣を提唱し、全国民が環境保護、及び監督の活動に参加するよう促す。

 

人民中国インターネット版 2015年2月2日

 

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