外国人留学生が見る両会:私たちにも「中国の夢」がある

 

両会(政治協商会議、人民代表大会)は中国の政治生活の大事であるだけでなく、世界が中国をのぞく窓でもある。毎年この時が来ると、世界各地の人々が、両会から伝わる情報を通じて、中国の変化を感じ、中国の発展が世界にもたらすチャンスを知ろうとする。中国網はこのほど、外国人留学生の代表を招き、両会に対する彼らの見方を語ってもらった。

中国は大気汚染対策に成功するはず

中国の多くの都市で出現しているスモッグについて、ロシアの胡鳳蘭さんは、自分にとっては何の影響もないと語る。北京のような国際的な大都市が好きなので、スモッグがあるからといって北京を離れることはない。マレーシアの張倪珮さんはスモッグにはやはり気を遣っており、家族からはあまり外出しないでマスクをつけるように言われている。マスクはもう買ったが、付けてはいない。北京ではマスクを付けている人は少ないので、目立つのが嫌なのだ。アフガニスタンの李偉棋さんも外出の時にマスクを付けることはしない。自分だけ付けるのは恥ずかしい。韓国の趙安娜さんも付けない。付けても仕方がないと思うからだ。

胡鳳蘭さんは、環境汚染の問題は、国家の発展の過程で通らなければならないもので、改善は必要だが、ゆっくりと構える必要があると語る。「都市のすべての産業や工場をいっきに止めてしまうことはできない。こうした問題は徐々に解決がはかられており、私たちは気長に待っていればいい」。アフガニスタンの李偉棋さんも胡鳳蘭さんのこの見方に同意する。スモッグ問題の解決はすぐにできるものではない。米国やカナダ、日本など多くの国もスモッグは経験してきており、「中国は専門家を組織して彼らのスモッグ対策の経験を学習すべきだ」。

張倪珮さんは、今年の両会で、工場の排ガスを抑制するなど大気汚染を改善するための具体的な措置が出されることに期待している。

留学生らは皆、北京の公交システムを評価している。快適さを求めるならタクシー、時間を節約したいなら地下鉄、観光したいならバスがいい。だが北京は人が多すぎるのも事実だ。張倪珮さんは、北京は公共交通サービスの向上にもっと力を入れるべきだと見る。地下鉄の設備には改善の余地があり、モスクワのように、地下鉄に乗ること自体が観光となるようなレベルを目指すべきだと語る。公共交通がさらに安全でさらに快適となるような改善が求められる。

胡鳳蘭さんは、北京の交通渋滞にはなかなか適応できない。胡鳳蘭さんの出身地であるシベリアは土地が広く、人が少なく、交通渋滞などはかつて見たことがなかった。北京では自動車の数を制御して、交通渋滞を緩和すべきだと考えている。アフガニスタンの李偉棋さんは、交通渋滞は自動車が多いことも問題だが、ドライバーにも問題があると主張する。北京では交通法規を守らないドライバーが多すぎる。車線を勝手に変更したり、緊急車両用の道を占拠したり、赤信号を無視したりといった行為によって事故も多発し、交通渋滞を激化させている。

韓国の趙安娜さんは北京の交通渋滞にはもう慣れたという。交通渋滞はソウルも同じだからだ。一番困るのは、北京での道の横断。中国の多くの都市では、右折車両は信号機の制限を受けていないので、なかなか渡ることができない。

「私たちにも『中国の夢』がある」

習近平国家主席が打ち出した「中国の夢」については留学生も知っていた。趙安娜さんは、「中国の夢」とはつまり、中国に関する夢なのだと捉える。自分の夢はいつか外事警察となることで、この専門分野で中国との交流を継続したいと考えている。アフガニスタンの李偉棋さんは、「中国の夢」とは、中国人に夢を見させることであり、あまりプレッシャーを感じる必要はないという。自分の「中国の夢」は、中国語をしっかりと勉強し、中国文化をアフガニスタンに伝え、より多くのアフガニスタン人に本当の中国を知ってもらうことだ。

張倪珮さんは、中国がますます良くなることに期待している。中国人が国外を旅行で訪れる際などには、中国のイメージがもっと高まるような行動を取れるはずだ。中国が力をつけていることは嬉しく、中国の発展が海外の華人にとって誇りとなることを願っている。

胡鳳蘭さんは、「中国の夢」とは人民に奉仕することだと考える。自分の「中国の夢」も海外華人にかかわっている。海外の中華系の子どもには、中国語を学ぶだけでなく、中国文化も理解してほしいと考えている。中国の文化や伝統、習俗,考え方などを失ってはならず、所在国の文化とこれを融合させなければならない。そうして初めて、中国文化をよりよく広め、相互の交流の橋をかけることができる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月4日

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