中国経済は成熟期に入っている アルゼンチン学者

 

中国経済構造のグレードアップはこれまでずっとアルゼンチン経済学者の注目する話題だ。アジア&アルゼンチン研究センターチーフエコノミストのジラド氏は、「中国経済の進行方向はアルゼンチンを含むラテンアメリカ諸国に直接影響を与えるに決まっているので、ラテンアメリカ諸国が政策を制定する上で重要な変量とするべきだ」との考えを示している。

ジラド氏は中国両会の開催を注意深く見守っている。氏は、「両会は一貫として外界が中国という経済大国を観察し理解する窓口だ。今年の両会は第12次五カ年計画(2010-2015年)の最終段階を迎える年に当たり、その重要性が一層際立っている」と話した。

中国経済けん引エンジンの多様化戦略に話題を及んだ際、ジラド氏は、「内需は目下中国経済成長をけん引するメインエンジンになるべきだ。これは対外貿易への依存度を減らすだけでなく、輸入拡大を通じて他国との貿易均衡も促進できる。一方、中国の輸出を重点とする工業投資は構造調整を通じて、ハイエンド製造業とサービス業への転換を一層図るべきだ」と指摘した。

ジラド氏は、「中国のサービス業にはなお大きな成長余地がある。とりわけ人々の生活水準や消費レベルの向上に伴い、サービス業の需要が拡大しつづけ、多様化になりつつある。これは創業者に巨大なチャンスをもたらしている。中国政府による目下の革新・創業奨励政策は決して偶然なことではない。将来、中国のソフトウェアと電子商ビジネス業界は世界の潮流を導くことになる」と語った。

中国経済が直面する経済成長の減速圧力に話を及ぶと、ジラド氏は「私は中国経済悲観論者ではない」と表明し、「中国が経済成長率目標を引き下げることは中国経済が成熟期に差掛かっている兆しだ。経済は発展しており、その成果から恩恵を受けている地域と人口が絶えず拡大し、国民が享受する福利水準も高まりつつある」と分析。

ジラド氏は、「目下喫緊な問題は数量ではなく質だ。仮に中国が輸出モデルを「中国製造」から「中国創造」へのグレードアップに決まっているのであれば、今一部の経済分野の成長スピードを落としていくのはやむを得ないことだ。だが長い目で見ると、この戦略調整によって巨大な利益が生じるだろう。なぜなら将来高品質の製品を輸出するだけでなく、産業チェーンの上流から技術をコントロールし超過収益を得られるからだ」と話した。

ジラド氏は、「中国の第12次五カ年計画は大きな成果を収めた。特に政治、社会、行政改革の面においては申し分のないことだ。しかし過去5年間の世界経済の情況を振り返ると、経済目標の実現は往々にして外界の変動要因によって影響されるものだということも容易に分かる。例えば、EUなど主要貿易相手国の経済疲弊、原油価格の暴落、ウクライナ―危機、ギリシアの債務不履行問題など」と分析した。

「新常態という概念は将来における中国経済発展の真新しい道を概括した。まとめて言うとすなわち経済成長率を慎重に対処しながら発展の質を重んじることだ。この発展理念の転換は世界にとって重要な意義を持つ」とジラド氏はそう話しながら、「もし中国が再生可能エネルギーをめぐるイノベーションを推進しエネルギー構造の合理化を図った結果、環境に優しい経済成長のモデルが確立できれば、当面喫緊化する環境問題で頭を悩ます世界にとっては巨大な貢献になる」と断言した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月4日

 

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