2015年政府活動報告、改革深化に関する課題を明示

 

経済の「新常態」を迎えた2015年に、中国政府はどのような対策を講じるのだろうか?第12期全国人民代表大会(全人代)第3回会議に提出された政府活動報告は、実務的・全面的かつ前向きな回答を導き出した。この約1万8000字の報告の要点をまとめると、中国政府が定めた2015年の取り組むべき課題が明確になった。6日付中国証券報が伝えた。

積極的な財政政策を拡大し、効果を高める。2015年の財政赤字は1兆6200億元を予定しており、前年比2700億元増となる。赤字率は2014年の2.1%から、2.3%に引き上げられる。

穏健な金融政策には、適度な緩和が必要だ。広義マネーサプライM2の増加率は12%前後が予定されている。経済発展の需要に応じ、これをやや上回ることも可能だ。

市場参入ネガティブリストを制定し、省級政府の権力リスト・責任リストを公表する。

政府の投資プロジェクトに対する審査・批准の範囲を大幅に縮小し、審査・批准の権限を下部組織に委譲する。投資プロジェクトの事前審査・批准を大幅に削減し、プロジェクト審査・批准のオンライン手続きを実施する。民間資本の市場参入を大幅に緩和し、社会資本によるPE投資ファンドの設立を奨励する。

インフラ、公共事業などの分野で、政府・社会資本の協力というモデルを積極的に推進する。

条件に合致した民間資本の、法に基づく小・中型銀行などの金融機関の設立を推進する。成熟した企業から批准を進め、数の制限を設けない。

国有資本投資・運営公司の試行を加速し、市場化運営プラットフォームを構築し、国有資本の運営効率を高める。

外資の投資産業指導リストを見直し、サービス業と一般製造業の開放を重点的に拡大し、外資の投資規制に関する条項を半減させる。普遍的な登録、限定的な審査・批准という管理制度を全面的に推進し、奨励類プロジェクトの審査・批准の権限の多くを下部組織に委譲し、参入前国民待遇にネガティブリストを加えた管理モデルを積極的に模索する。

登録制を中心とする対外投資管理方式を実行する。

「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の共同建設を推進する。相互接続、通関の効率化、国際物流大ルートの建設を加速する。中国―パキスタン、バングラデシュ―中国―インド―ミャンマーなどの経済回廊を建設する。

中韓・中豪FTAの早期締結を目指し、中日韓自由貿易区の交渉を加速し、湾岸協力会議やイスラエルなどとの自由貿易区の交渉を推進する。中国―ASEAN自由貿易区のグレードアップをめぐる交渉、東アジア地域包括的経済連携をめぐる交渉を終え、アジア太平洋自由貿易圏の建設を目指す。

一連の新たな重要建設プロジェクトを開始する。

2015年の中央予算内の投資は4776億元に増額されたが、政府だけが「主役」になるのではなく、民間投資の活力を引き出し、社会資本の投資をより多くの分野に向けさせる。

鉄道投資は8000億元以上を維持し、新規建設鉄道距離を8000キロ以上とする。高速道路ETCの全国ネットワーク化をほぼ実現し、交通を発展の真の先駆者にする。

土地請負経営権の権利確認・登録・証書発行の作業を徹底し、農村の土地徴収、集団経営性建設用地の市場化、住宅用地制度、集団財産権制度などの改革・試行を慎重に展開する。

保障性住宅(低所得者向けの政策支援住宅)を2015年740万戸追加する。そのうちバラック区の改築が580万戸、追加分が110万戸。都市部の危険家屋の改築を、バラック区改築の政策範囲に収める。

「一帯一路」の建設と地域の開発・開放を結びつけ、新たなユーラシア・ランドブリッジ、裏海港の建設を強化する。

北京・天津・河北省の共同発展を推進し、交通一体化、生態環境保護、産業のグレードアップ・移転などの面で、率先して実質的な進展を実現する。

「中国製造2025」を実施し、革新駆動、スマートモデルチェンジ、基礎強化、グリーン発展を続け、製造大国から製造強国への変化を加速する。

「インターネット+」の行動計画を制定し、モバイルネットワーク、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、モノのインターネットなどを現代製造業と結びつけ、電子商取引、工業ネットワーク、インターネット金融の健全な発展を促進し、インターネット企業の国際市場の拡張を導く。

科学技術成果の使用・処理と収益の管理の改革を加速し、株・配当による奨励政策の実施範囲を拡大し、科学技術成果の転化、勤務中の発明の法律・制度を整え、革新的な人材に成果の収益を分け与える。

二酸化炭素の排出量を2015年は3.1%以上、化学的酸素要求量とアンモニア窒素の排出量を約2%、二酸化硫黄の排出量を約3%、窒素酸化物の排出量を約5%削減する。

水質汚染防止の行動計画を実施し、河川・湖沼・海の汚染、水質汚染源、農業非特定汚染源負荷の改善を強化し、水源地から家庭内の蛇口に至る全課程の監督管理を実施する。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年3月7日

 

 

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