李稲葵委員:中国はグリーン工業戦略を打ち出すべき

 

第12期中国人民政治協商会議全国委員会委員で清華大学経済学部教授の李稲葵氏は、中国の環境問題と経済成長の矛盾について次のように語った。「環境保護と発展は矛盾しているとよくいわれるが、実は現段階で両者は完全に両立できる。環境対策を中国経済の新たな成長ポイントとしてつくり上げるべきだ」

「アジア太平洋経済協力会議(APEC)の期間中、北京周辺の重工業施設が事前に閉鎖されていたため、『APECブルー』が現れました。しかし春節(旧正月)期間中、北京はほとんど空っぽになったのに、空気は逆に依然ひどかったのです。中国の石炭やガソリンの基準は米国の多くの地域より良いですから、重要なのは産業構造の問題、つまり工業の問題です。中国は工業グリーン化戦略を打ち出すべきだと思います」

工業グリーン化をどう実現するかを説明するため、彼は韓国の浦項製鉄を例に挙げた。「浦項製鉄は海岸に位置している。最も品質の高い石炭と鉄鉱石を輸入し、最も先進的な環境保護基準を適用しているため、出来上がるのは最も環境に優しい製品だ。そこに行っても重工業があるとは思わない。中国沿岸部もこのようなグリーン重工業を適切に発展させるべきだ。反対に、河北省や山西省のような内陸部にはアップルのパソコンや自動車の組み立てラインを導入すべきだ」

また、環境保護部(部は日本の省に相当)は監督・管理するだけでなく、環境保護基金を設け、自ら評価した優れたプロジェクトを自らの資金でサポートすべきだとアドバイスした。この2点をやり遂げれば、「われわれのエネルギー消費と環境全体の質は改善され、大気の質も大幅に向上するでしょう」という。(文・写真=高原)

 

 

人民中国インターネット版 2015年3月7日

 

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