イシ・ドルカル代表:高原の養鶏家から全人代代表に | ||
「私は教養がなく、話も得意ではありませんので、心の中で思っていることを話したいと思います」。40歳の第12期全国人民代表大会代表のイシ・ドルカル氏はチベット自治区ロカ地区ネドン県グンサン養殖専業協同組合の党支部書記だ。詰め掛けた記者のカメラの放列を前に、イシ氏は生真面目にあいさつした。故郷のネドンでは彼女は「養鶏業のナンバーワン」として知られ、地元のチベット族の間で財産を築いた先行者だ。彼女の協同組合のチベット卵は2014年、両会(全人代と中国人民政治協商会議全国委員会)の代表・委員の食卓に上った。雪の高原から来たチベット卵は「小ぶりでとてもおいしい」と皆の称賛を得た。
イシ氏と夫は2003年4月、夫の故郷の湖北省でためた30万元(約580万円)を持ってロカに戻り、ネドンのヤルツァンボ河のほとりに鶏とアヒルの養殖場を建てた。2008年5月に自分の養殖専業協同組合を設立した。当初の200羽の鶏は現在100万羽以上の規模になり、自身が財産を築いただけでなく、地元の農民3000人以上にも豊かになる夢を実現させた。2014年、彼女は「全国10傑農家」の栄誉に輝いた。 イシ氏は現在、チベット鶏の養殖のほか、ひよこの繁殖も協同組合の事業とし、3000人以上の農民を彼女の養殖事業に引き入れ、完全な産業チェーンを形成した。また、「ひよこ供給の統一」「ひよこ繁殖の統一」「販売の統一」「飼料の統一」「技術の統一」など、厳しい基準を制定した。「私たちのチベット鶏の飼料は現在、すべて国内の大型飼料会社1社から高原向けに独自生産してもらっています。もし飼料に問題があれば養殖場の損失につながりますから、飼料会社は賠償責任を負います」とイシ氏は話す。 「チベット鶏の高付加価値加工工場の建設」「区都ラサでの家畜市場開設」がイシ氏の夢だ。全人代代表に選ばれた後、イシ氏は肩に掛かる責任がさらに重くなったと感じた。彼女は農家の権益を代弁するだけでなく、国家の発展・建設にも気を配らなければならない。「チベット族の農業発展に対する政府の支持は非常に大きい。私たちの養殖協同組合は自分たちで1000万元(約1億9000万円)を調達し、政府が615万元(約1億2000万円)を投資してくれました」。人々を豊かにする政府の政策に話題が及んだ時、ドルカルは未来により多くの自信とより雄大な計画を持った。(文・写真=張雪)
人民中国インターネット版 2015年3月10日
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