「1ベルト、1ロード」の全面的推進は時宜を得たもの |
王毅外交部長(外相)は8日、全人代会議の記者会見で「2015年の中国外交のキーワードは『1つの重点、2本の主線』だ。このうち『1つの重点』とは『1ベルト、1ロード』(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の全面的推進だ」と説明した。中国外交の年間活動の『1つの重点』としたことから、『1ベルト、1ロード』戦略の中国外交における重みが分かる。これは今年の中国外交において「1ベルト、1ロード」が頻出語となり、「1ベルト、1ロード」の推進が重要任務となることを告げている。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載) 過程面では、「1ベルト、1ロード」イニシアティブは推進を加速し、良い勢いを呈している。2013年が「1ベルト、1ロード」イニシアティブを初めて打ち出し、第一段階の売り込みをする年であり、2014年がその具体的計画と第一段階の実行の年であったとするなら、2015年は全面的に推進に入るというのが自然な流れだ。2013年秋に習近平国家主席が「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」の建設という重要なイニシアティブを打ち出してから1年半足らずで、「1ベルト、1ロード」は理念、コンセプト、初期構想から、計画とプロジェクトへと迅速に転化した。「1ベルト、1ロード」推進のため、中国は調整メカニズムを設け、シルクロード基金を創設した。「1ベルト、1ロード」はすでに早期収穫を実現している。 配置面では、「1ベルト、1ロード」の「ベルトの幅とロードの長さ」が次第に明らかになってきている。「1ベルト、1ロード」イニシアティブを打ち出した当初、人々は「『ベルト』はどれほどの幅があり、『ロード』はどれほどの長さがあるのか」との疑問を禁じ得なかった。言い換えるなら、「1ベルト、1ロード」は一体どの国々を取り込み、どのような内容を含み、具体的にどう実施するのかだ。報道によると中国はすでに国レベルで全体計画をまとめており、近い将来に関係計画を対外発表する見通しだ。「1ベルト、1ロード」イニシアティブはすでに沿線50カ国余りが前向きに参加に応じており、中国国内の関係省(直轄市、自治区)も「1ベルト、1ロード」戦略との連結計画を次々に打ち出している。 政策面では、「1ベルト、1ロード」の推進はすでに中国の国家発展戦略にまで高められ、新たな改革開放の重要な構成要素となっている。中共は第18回党大会以来、小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成、改革の全面的深化、全面的な法による国家統治、全面的な厳格な党内統制という「4つの全面」戦略を打ち出し、形成した。今年は「4つの全面」を一斉に推し進める肝要な年だ。今また「1ベルト、1ロード」の全面的推進を2015年の対外的取り組みの「1つの重点」として確定した。対外的取り組みの「1つの重点」と国内の取り組みの「4つの全面」を結合し、1つの全体を形成して、中国の新たな改革開放の全貌を描き出す。「1ベルト、1ロード」の建設が国家戦略においてかつてない重要な位置に据えられることが見てとれる。 原則面では、中国の提唱する協力・ウィンウィンという新たな理念が「1ベルト、1ロード」の全面的推進の理論的基礎を固めた。中国側は、「1ベルト、1ロード」の推進過程において、「共に話し合い、共に建設し、共に享受する」原則を堅持し、対等な協議を堅持し、各国の選択を十分に尊重する方針を打ち出した。王外交部長は4つの「重視」によって、関係各国の懸念や疑念に回答した。中国側は「各国の快適さへの配慮を重視し」「透明性と開放性の維持を重視し」「各国の発展戦略との相互連結を重視し」「既存の地域協力体制との支え合いを重視する」というものだ。これは「1ベルト、1ロード」イニシアティブが協力・ウィンウィンの理念を体現していることを物語っている。こうした原則の確立は「1ベルト、1ロード」が成功を収め、沿線各国さらには世界全体に恩恵を及ぼすための重要な保障となる。 やり始めたからにはやり遂げなければならない。「1ベルト、1ロード」の推進過程において様々な試練や問題に直面することは避けられないが、協力・ウィンウィンの理念を実行するとの中国の決意が変わることはない。「1ベルト、1ロード」戦略は全面的で着実な推進にともない、人々の心に一層深く浸透し、一層の早期収穫を得て、ユーラシア大陸全体の振興を後押しすると信じるだけの理由がある。 「1ベルト、1ロード」の全面的推進は時宜を得たものであると言え、今年の中国外交は「1ベルト、1ロード」の主旋律を1回また1回と奏でるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年3月11日
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