李克強国務院総理の政府活動報告の中で、「創客」という中国語が次のように初めて登場した。「経済の新たな成長分野の重点的育成として、サービス業の発展加速を促し、モバイルインターネット、集積回路、ハイエンド設備製造、新エネルギー自動車など戦略的新興産業の発展をサポートした。インターネット金融が新興形式として急速に普及し、電子商取引、物流・宅配業などの新業態が急成長した。多くの『創客（クリエイティブ人材）』が頭角を現し、文化クリエイティブ産業が大いに発達した」

「創客」の概念は英語の「Maker（つくり出す人）」に由来し、一般とは異なるアイデアを現実化する人を指す。アップル創業者のスティーブ・ジョブズは最も有名な「創客」の一人だ。「創客」文化は外国で数十年にわたって発展し、すでに優れた土壌を蓄積している。この概念は中国に伝わって間もないが、中国の製造業の豊かな基礎や現在盛んなイノベーションの潮流と結び付き、急速に発展している。

中国人民政治協商会議第12期全国委員会委員で教育サービス大手・新東方科技教育グループ会長の俞敏洪氏の考えでは、「創客」を奨励し支持するには、まずそれを育む土壌を育てなければならない。彼らの大多数がつくるのは極めて小さな会社で、「草の根」起業だ。政府は税の減免や起業学生へのローン限度額の引き上げなど、「創客」たちへの政策的なサポートを強化するべきだ。また、より多くの成熟した企業家に創客を積極的に支持してもらい、エンジェル基金などを設け初期のベンチャー企業に「輸血」するべきだ。

俞氏は昨年、投資家として小さな電子商取引企業に投資した。「創客」はモバイルインターネットやクラウドファンディングなどのプラットホームの力をもっと借り、投資と起業家育成環境を獲得するべきだと彼は考えている。（編集・張春侠）

人民中国インターネット版　2015年3月12日