中高速発展は十数年に及ぶ可能性 |
――ある日本メディアの論評によれば、対米・対中輸出は日本の輸出の2本柱で、中国経済の減速は日本経済にとっても不利で、アジア地域の経済成長にも良くない影響を与えるそうです。どうご覧になりますか? 賈 経済成長が減速しているといっても、世界の主要な経済体と比べれば、中国は依然として最高の経済成長の速度を保っている。中国経済の総量に7%の成長が加わるのはやはり相当なものだ。もし成長率7%で発展すれば、中国経済の総量は10年で倍になる。 今年の春節(旧正月)期間中、大勢の中国人観光客が日本を旅行して買い物し、60億元(約1140億円)の消費が日本市場に極めて大きな繁栄のチャンスをもたらした。もし中日両国が平和的に付き合い、共に発展すれば、繁栄のチャンスはいっそう現れてくるだろう。なぜなら中国はすでに中所得段階に入っており、まだ中高所得段階へと発展するからだ。中国の人口を基に、ますます多くの人が日本経済と関わり合うだろう。 このほか、春節期間中の中国人観光客が日本で温水洗浄便座を大量に購入した現象はとても面白い見所だ。これは実質的に中日間の経済上の相互作用の現れだ。人に優しい温水洗浄便座は日本ではよく普及しており、まず豊かになった中国人が追求している生活のクオリティーを体現し、次に日本製品の品質に対する中国人の信頼を体現している。ある中国メーカーの話では、彼らの製品も悪くはなく、一部の日本ブランドの製品も彼らが生産しているという。しかし皆は日本ブランドを認める。それはなぜか?恐らく中国市場の製品の品質は玉石混交で、日本で買った製品の信頼度には及ばないからだろうと思う。私は数年前、東京・秋葉原で日本のカメラを買い、今でもその製品に満足している。この点から見て、日本市場にはまだ中国が学び、参考にするべきものが数多くある。中国の精密機器製造レベルの向上に伴い、ますます多くの中国ブランドが消費者の信頼を勝ち取るだろうと私は信じている。日本はこれについて心配しすぎることはない。中日関係が安定的で健康的な発展を遂げるだけで、日本企業は現在の優位性に立ってイノベーションを継続し、中日双方の経済の良好な相互作用はますます密接になるだろう。 ――少し前、日本企業を含めた少なからぬ外資系企業が中国から撤退しました。これは中国経済の発展に大きな圧力になると考える人もいます。外資系企業の撤退は中国経済にどれほどの影響をもたらし、中国は将来どのような外資のパートナーが必要になるでしょうか? 賈 外資系企業撤退が大きな圧力になるというのは少し誇張されている。まず中国の改革開放の過程では、中国市場で外資系企業の出入りはとても頻繁だった。これは正常な経済現象で、市場のルールによる結果だ。中国は30年以上の改革開放を経験しており、現在の経済発展モデルと経済構造は30年以上前と比べて巨大な変化がすでに起きている。中国経済の駆動力は以前、安価な土地・資源・労働力による要素駆動と政府・銀行による投資駆動でした。特に中国経済が新常態に入って以降、それは科学技術とイノベーションによって集約型生産を実現するイノベーション駆動へと変化した。 この背景の下、新しい環境に適応できない企業が中国市場を離れるのはまったく不思議ではない。また外資系企業だけではなく、中国企業も立ち去っている。ウールのメリヤスを生産する中国の大企業がアフリカ南東のマダカスカルに工場を移転した。伝統的な製造・加工業がより労働力の安い地域に移ったのは、企業が経済利益を追求する手段であり、中国経済のグレードアップとモデルチェンジの表れでもある。 中国の発展の新しい要求に適合するハイテク・環境保護型の外資系企業や世代交代の潮流の中で成長してきた中国本土の企業、勢いよく発展してきたサービス業は、撤退企業の残したすき間をすぐに埋め、中国の未来の経済を構成するだろう。(聞き手=王焱)
プロフィール 賈康(Jia Kang) 財政部財政科学研究所所長 1954年7月生まれ。湖北省武漢市出身。1982年に北京経済学院経済学部を卒業、1998年に財政部科学研究所で博士号を取得。
人民中国インターネット版 2015年3月15日
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