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「カッコいい!」で後継者に | ||
以前、魏さんはあちこち奔走し、徐州芸術学校に2期にわたって琴書専門クラスを開設した。しかし、生徒はわずか15人、しかも卒業後は全員が琴書の演者になったわけではない。「私の頃、芸術学校の応募者は2000人近くいて、最終的な合格者は十数人でした。現在徐州で専門の琴書演者は20人に満たず、みな市の歌舞団に所属しています。彼らは主役ではなく、出演回数、個人の収入も制限されています。ですから、若者を琴書に引き付けるのはとても難しいのです」 それでも、魏さんは一貫して若い後継者を探す努力を続けている。彼は今年、26歳の徐妮娜さんを発掘した。妮娜さんは代々嗩吶(チャルメラ)演奏家という家庭に生まれ、容姿や声もいい。しかし、彼女は当初琴書にはまったく興味がなく、難しく発展の道もないと感じていた。このため、魏さんが電話をかけて弟子にしたいと伝えた時、彼女は即座に断った。魏さんはあきらめず、妮娜さんを訪ね、一度自分が演じるのを聞いてから結論を出すように説得した。そして彼女は魏さんの舞台を見て、琴書を学ぼうと決めた。理由は簡単だ、「カッコいい!」。 「彼女の進歩ははやく、来ていくらもしないうちに他の人なら数年かかるレベルになりました。市内で行われた公演に参加したことで、とても良い効果と影響がありました」と、満足げに話す。妮娜さんの例を通じて、魏さんは一つの信念を固めた。それは、より多くの人に徐州琴書を聞いてもらうことだ。実際に聞いてもらってこそ、その良さがどこにあるか分かってもらえる。こうして、魏さんはよく弟子を連れて県城(県の中心市街地)や農村での公演に出向くようになった。「観客の皆さんはとても熱心に聞いてくれ、熱烈な拍手と声援を送ってくれます。ある公演では600人の観客があり、みな開場の30分以上前から会場に駆けつけてくれました」 公演以外にも、魏さんは毎週時間を作り、弟子と共にレストランで琴書を披露している。彼にとって最大の問題は、現在は書場のような決まった舞台がないということだ。魏さんは「観客は芸術家を育てる土壌で、舞台は演者を鍛える陣地です。この芸能を継承する若者のため、舞台で観客と接する機会をより多く創出し、舞台経験を蓄積させたいのです」と、その大切さを訴えている。
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人民中国インターネット版 2015年6月 |