兵力30万人削減、平和の模範を示す中国

 

習近平国家主席は3日、中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年記念大会における重要談話で兵力を30万人削減することを宣言した。(文:張軍社 ・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

ただちに世界は驚愕し、国民は奮い立った!中国のこの行動は何を物語ったのか?

第1に、中国は兵力30万人削減を宣言したことで、平和的発展の道を揺るがず歩む誠意と決意を改めて表明し、国際的な軍備抑制と軍縮を推進する積極的な責任ある姿勢をはっきりと示した。中国軍の大規模な軍縮は新中国成立後11回目だ。1980年代以来、中国は繰り返し自発的に軍縮を行い、相次いで兵力を100万人、50万人、20万人削減して、総兵力を新中国成立初期の627万人から現在の230万人にまで削減した。さらに30万人削減することで、中国軍の総兵力は200万人にまで減る。中国のように軍縮の規模が大きく、回数の多い国は世界に他にない。

第2に、中国が兵力30万人削減を宣言したことで、中国の軍事パレードのイメージを悪くする西側の「力の誇示」論はひとりでにぼろが出た。習主席が宣言したこの重大な決定は多くの人にとって予想外であり、国内外に衝撃が走った。軍事パレード前に、中国政府は軍事パレードがいかなる国も標的にしておらず、歴史を銘記し、烈士を偲び、平和を大切にし、未来を切り開くことが目的だと繰り返し表明してきた。だが日本と西側メディアは依然として抗日戦争勝利70周年記念行事を「力の誇示」として繰り返し非難してきた。日本経済新聞は3日付記事で、記念大会での習主席の談話について、日本による中国侵略戦争が中国の人々にもたらした惨禍を批判はしたが、恨みを現代の日本にまで続けることはせず、平和的発展を堅持するとの外交政策を重ねて表明したと指摘した。また、中国政府が平和を愛するというのは口先だけではなく、習主席は人民解放軍の兵力を30万人削減すると宣言したことで、「中国軍事脅威論」に力強く応じたとした。

第3に、中国が兵力30万人削減を宣言したことは、中国の自信をはっきりと示すと同時に、軍事力強化目標の達成にもプラスだ。この重大な決定は中国の国情と軍情に合致する。兵力削減を通じて、規模構成をさらに調整・最適化し、軍をさらに精鋭で、より合理的な編成にする。これは中国の特色ある現代軍事力システムの構築にプラスであり、新情勢下の軍事力強化目標の達成に努力して初めて、奮闘目標「2つの百年」の達成、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現を揺るぎなく保障することができる。また、今回の兵力削減割合が10%以上であることも、国防に対して中国が大きな自信を持っていることを物語っている。

確かに中国は依然として総兵力が世界で最も多い数カ国の1つだが、発展途上の大国として依然として多元的で複雑な安全保障上の脅威に直面し、生存上の安全保障問題と発展上の安全保障問題、伝統的な安全保障上の脅威と非伝統的な安全保障上の脅威が交錯しており、国家の統一、領土の一体性、発展上の利益を守る任務は極めて多く、重く、困難だ。中国軍は災害救援、国際平和維持、国際救援、国際護送など戦争以外の軍事作戦の任務も担っているほか、地域のテロリズム、分離主義、過激派の活動の脅威にも対処しなければならない。したがって、中国軍が一定の規模を維持するのは完全に必要なことであり、防御の目的によるものだ。ましてや13億の人口を擁する国にとって、200万人という兵力は多いとは言えない。日本の人口は1億3000万人足らずだが、自衛隊の兵力は25万人であり、人口対兵力の割合で明らかに中国を上回っている。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2015年9月4日

 

 
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