中日協力による南京城壁保存修復事業20周年記念式典で、両国の学生と共に登壇した酒井哲夫副会長、呉錫軍会長、平山美知子さん（前列左から）

今回の南京城壁保存修復20周年記念行事に参加するため、中日両国の友好人士、各界の代表、南京の大学生と100人近い日本の大学生などを合わせ400人余りが南京に集った。これはこの事業が始まって以来最大の規模だった。5月15日の記念式典では、中国人民対外友好協会の林怡副会長、江蘇省人民対外友好協会の呉錫軍会長、南京市の儲永宏副市長、日中友好協会の酒井哲夫副会長がそれぞれ祝辞を述べた。

林副会長は祝辞の中で、次のように述べた。「20年来、中日協力による南京城壁保存修復事業では戦禍を経験し、戦火の洗礼を受けた文化遺産を修復しただけでなく、中日両国人民の心に平和と友好の長城を築いてきました。今年は世界反ファシズム戦争並びに中国人民の抗日戦争勝利70周年にあたります。『過去を総括し、未来を切り開き、歴史を銘記し、永遠に戦争を行わない』ことは両国人民の心にある共通の願いです。歴史を振り返ることを通じて、中日両国にとっての平和の重要さについて理解を深め、平和と友好が両国人民、とりわけ青少年の心に深く根ざすようにし、平和と友好を代々伝えていくことを望みます」

酒井副会長は祝辞の中で以下の点について指摘した。この事業が始まった20年前の1995年は戦後50周年の年だった。人々が知るように、村山富市首相は閣議決定した「村山談話」を全世界に向けて発表した。その内容は、中国、韓国をはじめとするアジア諸国の人々に、戦争によって多大の損害と苦痛を与えたことを深く反省し心からおわびするというものだった。村山談話と平山会長が発起した南京城壁保存修復の呼びかけは、まさに戦後50年のこの節目にふさわしい「言」と「行」となった。

さらに酒井副会長は、今年8月15日に発表されるであろう戦後70周年の「安倍談話」が世界に注目されていることを紹介。日本国民は「安倍談話」が歴代政府が継承した「村山談話」を完全に継承することを望んでおり、これまで2度行われた首脳会談が引き続きスムーズに行われていくことを期待していると述べた。

呉会長と儲副市長もそれぞれ祝辞を述べ、その中で両国の多くの先賢と人民大衆が共に努力し締結した中日友好協力関係を大切にし、若い友人たちが南京城壁の特殊な歴史を理解し、正しい歴史観を打ち立て、未来を導き、中日の代々にわたる友好と協力の宿願を実現してほしいと強調した。