気候変動対策の中国の「革新発展」

 

習近平国家主席は29日、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)出席のためパリへ発った。気候変動は人類社会の直面する共通の試練であり、現在国際社会は新たな気候変動対策制度について合意形成を推し進めている。中共の第18期中央委員会第5回会議(五中全会)は「革新、協調、緑色、開放、共有」という五大発展理念を打ち出し、革新は発展を先導する第一の原動力であり、緑色(エコ)は永続的発展の必要条件、素晴らしい生活への人々の追求の重要な体現だと強調した。中国の実践を見ると、科学技術革新は気候変動対策、(環境と成長の両立を目指す)「緑色発展」の推進において重要な役割を発揮し、国際社会が気候適応型発展の道、持続可能な発展の道を探るうえで重要な経験を提供した。(文:万鋼・全国政協副主席。科学技術部長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

事実が証明しているように、科学技術革新は中国にとって気候変動対策の有効な手段であり、将来緑色発展、持続可能な発展を実現するうえで必ず通らなければならない道だ。2007年以来、中国は「中国気候変動対策科学技術特別行動」「第12次五カ年計画国家気候変動対策科学技術発展特別計画」を相次いで実施し、気候変動対策の科学技術革新能力の著しい向上と低炭素産業の急速な発展を後押しした。

第1に、重点産業分野の主要技術の進歩は、中国の省エネ・排出削減の力強い支えだ。低コストの省エネ・排出削減技術の開発と応用は建築、石炭火力発電、セメント、化学工業など従来型の高エネルギー消費産業の資源利用効率を著しく高め、温室効果ガスの排出を引き下げた。例えば石炭火力発電所は超臨界発電技術によって石炭を年間2940万トン節約できる。2010~2040年に中国は単位GDP当たりエネルギー消費を累計13.4%引き下げ、単位GDP当たり二酸化炭素排出量を累計15.8%引き下げた。科学技術革新は省エネ・排出削減に極めて重要な役割を発揮した。

第2に、低炭素発展の要求に順応し、科学技術革新によって産業の構造転換と高度化を推進する。中国は新エネルギー産業の投資において世界の40%を占める。6兆ワット永久磁石式風力発電機のプロトタイプを開発した。現在中国は風力発電と太陽光発電の設備容量で世界一位だ。2015年10月までに、中国は新エネルギー車累計33万3000台を普及させた。

第3に、気候変動対策の科学技術革新能力を強化し、気候適応型経済を発展させる。中国は発展のモデル転換を加速すると同時に、気候変動に適応する能力も積極的に高めている。ゼロから出発した異常気象の観測・予測業務システム、開発した技術や装備は2010年の南西干ばつ対策で重要な役割を発揮した。

将来に向けて、中国は経済構造の調整と産業の構造転換・高度化を一層加速し、民生保障・改善を強化し、エコ文明の建設推進に力を入れる。これらはいずれも科学技術を革新し、革新駆動型発展を加速し、人口・資源環境の重大なボトルネックの問題を解決し、経済・社会発展と美しい中国の建設の「ウィンウィン」を実現する必要がある。

気候変動はグローバルな問題という特徴を備え、国際社会が共に努力し、研究して解決する必要がある。中国は積極的に関係国と共に気候変動共同研究センターを設立し、地域や国際気候変動科学技術計画を積極的に発起し、気候変動対策の科学技術水準を共同で高め、数多くの発展途上国の気候変動対策科学技術協力に目を向け、途上国に技術と経験の支援を提供する。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2015年12月1日

 
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