「中国製造」にチャンス |
国務院発展研究センター研究員 胡江雲 中央経済工作会議は昨年12月、今年以降の一定期間、総需要を適度に広げるとともに、サプライサイド(供給側)構造改革を強化する必要があると指摘した。さらにサプライサイド構造改革の推進は中国の経済発展の新常態(ニューノーマル)に適応する必然的な要求だと強調した。 中国がなぜサプライサイド構造改革を打ち出し、どう推進するのかに注目が集まっている。 経済の持続的発展に向け 収入レベルの上昇と生活水準の改善に伴い、製品の質とサービス水準に対する人々の要求はますます高くなってきている。しかし、国内で提供される製品の質とサービス水準には依然として比較的大きな格差があり、国内市場の一体化の歩みは遅く、市場障壁は長らく取り除けていないため、ますます多くの消費者は海外旅行や越境電子商取引などを通じて質の高い外国の製品とサービスを享受するようになっている。 購買力を持つ膨大な市場グループを前に、中国国内の企業は高品質のブランド品や高水準のサービスを提供できていない。たとえ提供できたとしても、利便性やコスト面の問題が存在している。つまり国内の供給構造に問題が現れている。中国政府による供給側構造改革の目的はまさに、経済・社会の持続可能な発展を促進することにある。 2008年の世界金融危機以降、各国は総需要管理政策を採用し、投資を増やし、短期間のうちに需要不足の問題を効果的に解決し、雇用を増やして景気回復を促した。しかし、時間がたつにつれて中国では地方債務が絶えず増加し、市場の取引コストが増加し、製品の質に関するトラブルが頻発し、消費者の間で信用と知名度を大幅に下げ、経済発展は新しい困難に陥った。 このため、現在の中国経済は需要の問題を解決する必要があるだけでなく、供給分野の問題も解決する必要がある。 市場メカニズム保証が鍵 サプライサイド構造改革を推進するには、まず市場メカニズムが十分に役割を果たすよう確実に保証しなければならない。第二に、法に基づく行政を進め、市場を置き換えるのではなく積極的に健全な発展へと導き、社会全体に質の高い公共サービスを提供するよう政府を促す必要がある。第三に、市場障壁を下げ、国内外の市場の一体化プロセスを推進し、技術の進歩とイノベーションを推進し、最終的に市場を主体とした国際競争力とサービス内容を向上させることを政府に求めなければならない。第四に、各種コストを可能な限り下げ、市場を主体とした効率と質のアップを促すことで、経済構造の調整と最適化に有利にする必要がある。 商務部(省に相当)の統計によると、中国人観光客の海外での消費額は14、15年にそれぞれ1兆元(約17兆4500億円)、1兆2000億元(20兆9400億円)だった。もしサプライサイド構造改革が順調に実行されれば、国内の供給は少なくとも国外での消費の一部の受け皿になることができ、「メード・イン・チャイナ」はより多くのチャンスを迎えるだろう。
人民中国インターネット版
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