両会の焦点 ネット金融の発展には規範化必要

 

李克強総理は5日に行った政府活動報告の中で、「金融体制改革を深化させる必要がある」と指摘した。改革を加速させて現代型金融監督管理態勢を整え、金融の実体経済へのサービスの効率を高め、金融リスクの監督管理の全面的カバーを実現することをうち出し、その中にはインターネット金融の発展を規範化することも含まれていた。

ネット金融のリスク管理コントロールは、今年の両会(全国人民代表大会・全国政治協商会議)でも委員達が熱い議論を繰り広げる焦点の話題の一つだ。

全国政協委員を務める中央財経大学の賀強教授は今年の両会でP2P(ピアツーピア)プラットフォームのレベル別監督管理に関して提案をうち出した。「実際、多くのいわゆるP2Pは、従来の違法に集めた資金にネット金融の衣を着せて、サイトで違法な資金集めを行い、違法な活動を行うものだ。P2Pは行ってはならないというものではないが、どのような人が行うことを認めるのか、どのような人に行うことを認めないのかを、初めにしっかりと分ける必要がある。私は大きな部分を支援して小さな部分を制限するべきだと考えている」という。

今月3日、全国政協常務委員会委員を務める中国保険業監督管理委員会(保監会)の李克穆元副主席は、「ネット金融の健全な発展を推進するには、技術段階の監督管理を強化し、リスク対応マニュアルを整備し、システム上のリスクが発生しない最低のラインをしっかりと守る必要がある」と述べた。

同じ日に、全国政協委員を務める陝西省人民検察院の鞏富文副検察長は、「ネット金融の監督管理の強化は一刻も猶予できないことだ」と指摘した上で、「中央レベルでの各部門の監督コントロールの職能の調整を考慮して、中国人民銀行または中国銀行業監督管理委員会(銀監会)がネット金融に対して統一的に監督コントロールを行い、監督コントロールの水準と効率を高め、コストを引き下げるようにする。ネット金融の参入基準を明確にし、市場参入の透明性を高めることが必要だ。これと同時に、分類に基づく管理コントロールを実施し、特にビッグデータのバックアップがないP2Pプラットフォームに対し、違法な資金集め、流動性の不足、違法な経営などの問題が発生することを重点的に防ぎ、プラットフォームが人民銀の信用情報システムに接続することを認めて、信用リスクを引き下げる必要がある。条件が整えば、情報共有プラットフォームを構築し、データの分類管理を実施し、公共のデータを共有し、有償で商業データを使用し、個人情報を厳格に保護することを検討するとよい」と述べた。

ネット金融はここ数年の間に中国で新たに誕生したものだ。統計によると、2015年までに、P2Pプラットフォームの数は2595に増え、取引規模は9823億元(約17兆1893億円)に達した。第三者ネット決済がオンライン決済全体に占める割合は87%を超え、銀行のオンライン決済規模をはるかに上回る。だがこうした流れにともなって発生したネット金融のリスクが各方面の関心を集める難題ともなっている。2015年だけでも、P2Pの問題あるプラットフォームは896に達し、全体の3分の1を超え、コントロールを担当する者がプラットフォームを利用して資金集め詐欺や違法な預金集めといった犯罪行為を起こしたケースもあった。法律法規が不完全で、監督管理の遅れや空白があり、業界の規範と自律性が十分でなく、金融とネットワークシステムそのものに高いリスクがあり、リスクがネットで伝わることで拡大するといった要因は、いずれもがネット金融に試練を突きつけるものだ。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2016年3月6日

 

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