「数字」から読み解く2016年の政府活動報告 |
国務院の李克強総理は5日、北京で開幕した第12期全国人民代表大会第4回会議で政府活動報告を行い、今年の政府の活動計画を明らかにした。中国新聞社の記者は報告の中の「重要な数字」を総括し、これらの「数字」から2016年の中国経済社会発展の道を読み解いた。 ▽6.5〜7% 中国は2016年の経済成長目標を6.5%〜7%と定めた。李克強総理は「この目標は、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成という目標との兼ね合いと、構造改革の推進の必要性とを考慮した結果であり、市場の予測を安定させ、これをリードするのにも役立つ。安定成長は主に、雇用の確保と民生の改善を目的としている。この成長率であれば、比較的十分な雇用を確保できる」と指摘した。 ▽3%前後 中国は2016年の消費者物価指数(CPI)上昇率の目標を3%前後と定めた。「十二五(第12次五カ年計画、2011〜2015年)」の時期、中国のCPIの年平均上昇率は2.8%で、基本的に安定を保った。2016年は「十三五(第13次五カ年計画:2016〜2020年)」の初年であり、中国政府は主に市場が価格を決定するメカニズムを中心に据え、引き続き価格水準の基本的安定を維持していく。 ▽3.4%以上 中国は今年の単位GDPあたりエネルギー消費削減目標を3.4%以上と定め、引き続き主な汚染物質の排出量を削減する。報告では、汚染対策、環境保護は国民の健康と持続可能な発展に関わり、強力に推進しなければならず、決意をもって経済発展と環境の改善がともに達成される道を歩まなければならないと指摘された。 ▽1000万以上 中国は今年の都市部新規雇用創出目標を1000万人以上、都市部の登録失業率の目標を4.5%以内とした。 今年の765万人の大学卒業者が「就職難」を避けるにはどうすれば良いか?李克強総理は、「雇用促進計画と創業支援計画を着実に実施し、様々な就業・起業の道を促進する」と指摘した。 また、今年は1000万人以上の農村貧困人口の貧困脱出を目標に掲げている。中国の貧困脱出任務は非常に厳しく、今年は中央財政からの貧困扶助資金が43.4%増加した。また、ターゲットを絞った貧困扶助と貧困脱出、土地や対象者に合わせた措置を堅持する。 ▽約13% 中国は今年の広義マネーサプライ(M2)の増加目標値を約13%、社会融資規模の増加目標値も同様に約13%と設定した。現在、世界の金融市場は激しく揺れ動いており、中国の金融政策の動きも注目されている。報告では、「穏健な金融政策は柔軟で適度なものにする。各金融政策ツールを統括的に活用し、合理的で十分な流動性を維持し、伝導メカニズムをスムーズにし、融資コストを引き下げ、実体経済、特に小規模・零細企業や「三農」 (農業、農村及び農民)への支援を強める」と指摘された。 ▽3% 今年は財政赤字を前年比5600億元増の2兆1800億元とし、財政赤字の対GDP比を3%に引き上げる。中国政府はこれまでにも様々な場で、積極的な財政政策に力を入れるよう要求してきた。李総理は「中国の財政赤字率と政府負債率は世界の主要エコノミーの中でも低く、このような計画は必要であり、実現可能であり、安全である」としている。 ▽5000億元以上 行政事業料金18項目の徴収免除の対象が、小規模・零細企業からすべての企業と個人にまで拡大された。つまり、今年は改革前と比べ、企業と個人の負担が5000億元以上削減されることになる。適度に拡大した財政赤字は主に、減税・費用引き下げに使われ、企業の負担が軽減される。しかしこれと同時に、革新的な財政支出方式を生み出し、財政支出の構造を改善し、維持すべきは維持し、削減すべきは削減しなければならない。 ▽1000億 中央財政は今年1000億元の特別資金を拠出し、過剰な生産能力の解消がもたらした従業員の再就職問題の解決に用いる。「生産能力の解消」は、今年の中国経済の5大任務のトップに数えられる。報告では、新たな生産能力の増加を厳格に制限し、立ち遅れた生産能力を断固として淘汰し、過剰な生産能力の撤退を秩序立てて進め、財政・金融などの支持政策を完備することが指摘された。 ▽600万 今年はバラック密集地の住宅600万棟の改造を行い、立ち退き料支払いによる解決の割合を高める。都市化は現代化において避けては通れぬ道であり、中国最大の内需の潜在力と発展の原動力が存在する場所でもある。こうした背景の中、都市の低中所得者用住宅建設は新型都市化建設において必要な措置と言える。 ▽160億 中央財政が今年拠出する都市・農村部の医療救助補助資金は、前年比9.6%増の160億元に達する。健康は幸せの基本だ。中国は今年、大病保険の全面カバーを実現し、政府の投資を強め、患者の負担軽減に取り組む。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年3月6日
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