中国国内での「爆買い」をいかに復活させるか? 全人代で熱い議論

 

海外を訪れる中国人旅行者の数と消費額はここ数年、増加の一途を辿り、中国人観光客による海外での商品「爆買い」現象は、頻繁にメディアに取り上げられている。中国新聞社が報じた。

国家外貨管理局や国家観光局などが発表した統計データによると、2015年に海外を訪れた中国人観光客は延べ1億2千万人、観光消費額は2495億ドル(約4兆3500億円)にそれぞれ達し、延べ出国者数・消費額ともに世界トップとなった。

消費者の海外での「爆買い」現象の背後にある原因を深く掘り下げると、じつにさまざまな意見が入り乱れていることが分かる。

全国人民代表大会(全人代)の代表を務める娃哈哈集団の宗慶後・董事長は、「商品の輸入関税が高いことが、国内での小売価格の高騰につながっており、価格競争で大きな不利を被る結果となっている」との見方を示した。

全人代代表で浙江省科学技術庁の周国輝・庁長は、「国民は、国産商品を充分に信用していない」と指摘した。

全人代代表で格力電器董事長兼総裁を務める董明珠氏は、「中国企業は、『低品質・低価格』または『低品質・高価格』という形によって、消費者の利益を損ねているのかもしれない」と話した。

実のところ、中国はここ数年、国内に免税店や免税区を建設するなどの策を講じ、海外消費を国内に回帰させるべく努力を重ねてきた。今回の政府活動報告では、一部消費財の輸入関税を引き下げ、免税店を増設すべきといった提案が出された。

第12期全人代常務委員会委員で全人代財政経済委員会副主任委員の郝如玉氏は、「海南島の離島免税政策をさらに緩和することで消費能力をいっそう拡大させ、海外消費の国内回帰を推し進めるべきだ」と提案した。

宗慶後氏は、この提案について、「この措置は、国内消費の回帰を刺激する上で効果があるに違いない。だが、海外消費から国内の消費者を本当に取り戻すためには、それだけでは不十分だ。権限を受けた国内企業が海外商品を統一して仕入れることで商品価格を大幅に引き下げることができる。また、消費者が国内で海外免税品を購入できるような便利な措置を講じる必要もある」と述べた。

董明珠氏は、昨年起こった「温水洗浄便座」ブームに関し、「普通の中国人が使い始めた高品質の電気炊飯器を国内でも生産し、日本製品と競争させなければならない」と指摘した。

中国国務院の李克強総理は、政府活動報告において、「消費財の品質を高める必要がある。あくなき進歩を追求する職人精神を育て、品種を増やし、品質を向上させ、ブランドを創造しなければならない」と強調した。

企業家の視点とは異なる見方もある。周国輝氏は、「政府は輸入商品に対する検査を強化すべきだ。それにより、『外国製品』を盲目的に崇拝する国民の幻想が打ち破られ、『国産品』の品質改善が強制的に進み、市場での勝利が得られる」との見解を示した。

周国輝氏は、昨年の両会において、記者から「温水洗浄便座」ブームについて質問を受けた。当時、なぜ小さな便座がこれほど注目されるのか不思議に思った。浙江に戻った後、氏は下沙にある便座メーカーについて綿密な調査・分析を実施した。

調査を終えた周氏は、「革新とスマート製造は、企業を飛躍させるための翼である。ますます多くの企業が、自主開発力と革新力に注目し始めている。いまや、中国のスマート製品は、皆が認識しているよりはるかにバラエティに富んでいる」と話した。

今年2月23日、商務部(省)の高虎城部長も、「よりスムーズな国内消費ルートをいかに完備するか、消費の海外流出という問題をいかに解決するかは、今年の商務部の活動重点の一つとなるだろう」コメントした。(編集KM)

 

「人民網日本語版」2016年3月8日

 

 

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