楊志明委員 家政サービス従事者を都市へ融合

 

3月8日、中国人民政治商協商会議(全国政協)委員で、元中華人民共和国人力資源・社会保障部(省)副部長の楊志明氏が「13.5計画」を基に家政サービス従事者に対する技能訓練の実施や、彼らを今以上に都市へ融合させるなどといった家政サービスの人的権利・利益の保障について語った。

楊委員が以前から注目・保障してきたのは、主に第2産業に携わる人々の権利・利益だった。国の発展に伴い、現在、この注目・保障は、さらに第3産業にまで及ばなければならない。今後、中国の家政サービス事業は伝統的な産業と現代産業とが有機的に融合する新たな産業となるだろう。

「家政サービスはここ数年、景気低迷の中においても成長しています。毎年100万人もの新規就業者がおり、サービスへの需要はとても高くなっています。データによると中国では現在15%の家庭に家政サービスの需要があります。そのため、2020年前までには3000万人の就業を見込んでいます。現在、2000万人が従事していますが、あと1000万人不足していることが分かっています。この業界の潜在力は計り知れません。核家族化、高齢化の加速、新しい世代における中流階級の消費構造の変化に伴って、家政サービスに対する需要は今後5~10%上昇し、将来的には20%の家庭からの需要が見込まれています」と楊委員は指摘する。

増え続ける要求に相対し、現状では家政サービス従事者獲得が難しい。現在、主力の従事者は「50後、60後(50、60年代生まれ)」だ。年齢が比較的高いため、徐々に減少してきている。また、新しい世代の大多数の出稼ぎ労働者は家政サービスに就くことを望まなくなっている。一方、家政サービスに就くことを希望する一部には、この仕事に対する専門的な技術が備わっていない。そのため、北京などの大都市では「修士は見つけやすいが、良いお手伝いさんは見つけにくい」とよく言われる。

「良いお手伝いさんを見付けるのが難しいという原因の一端は、私たちの技能訓練が至っていないことからきていると言わざるを得ません。そのため、経済構造を調整し、技術の向上だけではなく従事者の資質、つまり、出稼ぎ労働者の資質向上をもしていかなければなりません。技術がなければ家政サービス従事者は大都市を通り過ぎるだけの人々に過ぎません。彼らの技術訓練に力を入れることは、彼らを都市に融合させるための急務なのです」と楊委員は言う。

楊委員は家政サービス従事者の企業雇用、コミュニティーへの参入、彼らの子どもたちの都市部学校への入学許可、そして、さらに多くの従事者を都市へ融合できるような条件を作成し、政府に呼びかけた。家政サービス従事者には強い向上心が見られる。私たちは彼らの権利・利益と発展にさらなる関心を持ち、支持する必要があるだろう。(高原=文・写真)

 

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