日本の大学は留学PRにもっと力を

 

王焱=文 高原=写真

3月9日、中国の大学における国際交流事情について、中国人民政治協商会議(全国政協)委員で、北京師範大学党委員会書記の劉川生女史に話を聞いた。

劉委員によれば、改革開放以来、中国の大学は世界各国の大学との間で学術交流を絶えず強めてきたという。彼女は「今日、中国の一流大学は必ず国際化されていなければならず、必ず対外的に開放されていなければならない。北京師範大学は国際交流の面で一貫して非常に開放的な態度を取ってきた」と考えている

長年にわたって、北京師範大学は各国の大学との交流や研究者交換を全力を上げて支援し、多くの外国人客員教授や訪問研究者を招請してきた。劉委員によれば「われわれは、教授たちに世界各国大学の教授たちと直接交流するよう奨励している。北京師範大学には全部で1900人余りの教員がおり、毎年延べ1400人の教員が日本を含む世界各地に赴き学術交流を行っている」という。

劉委員は日本、韓国、シンガポールなど中国周辺国の大学との交流を特に重視している。「日本はわれわれの近隣で、比べてみると、交流し始めるのに極めて都合が良い。今後はよりいっそう日本の大学との協力と交流を強めていくことを希望している」

劉委員本人も何度も訪日しており、東京や大阪など多地域の大学を視察したことがある。彼女は「日本は人々がみな礼儀正しい。環境もとても清潔だ。飲食生活の面では豪華さや体裁を求めるのではなく、健康的、科学的であることを求める。こうしたことが深く印象っている」と話している。

近年、中国と日本の大学は重要な最先端科学の研究分野で協力を特に深めている。劉委員は次のように例を挙げている。「例えば、最近非常に注目を集めている重力波発見の話題だ。われわれ北京師範大学天文学部の朱宗宏教授と一部日本の研究者が、このたびの重力波発見プロジェクトに関わっている。彼らは一つのチームで共同研究をしており、最終的に報告の起草に参画した。このため、今回の重力波発見には、われわれ中国の研究者と日本の研究者の貢献もあるのだ」

現在、中国の大学では多くの教員が海外留学の経験を持っている。劉委員によれば、北京師範大学の多くの教員が日本留学からの帰国組だという。朱教授本人も以前日本で学んだ経験を持つが、彼が現在指導する大学院生の内にも日本留学経験者がいる。

劉委員は「われわれは、本学の学生が世界各地に赴くことを支援している。そこには日本への留学や遊歴、交流も含まれる。現在、出国を選択する学生はとても多い。しかし、現実を見据えて言うなら、本学の学生の大部分はやはり欧米への留学を選択している」

現在、各国はいずれも中国からの留学生受け入れを競っている。劉委員は日本の大学は中国の学生に対してより本腰を入れてPRをすることが必要だと考えている。「より多くの中国人留学生を引き付けようと思うなら、日本の大学は三つの点をしっかり行う必要があると思う。第一に、中国人留学生募集PRを大幅に強化しなければならない。第二に、中国人留学生に向けた優遇、例えば中国人留学生には他国より多くの奨学金を与える、あるいは条件を優遇するなどの政策を実施しなければならない。第三に、自らのアドバンテージを明確にすることだ。日本はハイエンド製造業分野で世界のトップにあるが、これらの産業上のアドバンテージと中国人留学生のニーズとの結合点を探し出すことだ。中国人留学生は、今では留学先の選択において非常に実際的に変わってきている。すなわち、留学を通じて、将来の就職や収入上でのアドバンテージを得たいのだ」

劉委員はまた、より多くの日本人学生が中国の大学に来てみることを歓迎している。「もし日本の大学生が中国に留学して中国語を学びたいなら、ぜひ北京師範大学に来るようアドバイスしたい。なぜなら、われわれは外国人向け中国語教育実践ですでに四、五十年の歴史を持つからだ。この面で、周辺国の留学生たちの間で北京師範大学は非常に評判が高い」

3.11東日本大震災5周年となるこの時期に、劉委員は被災された人々に哀悼の意を表した。「自然災害は人類共通の不幸だ。3.11東日本大震災は日本の人民に多大な苦痛をもたらした。今思い出しても心が痛む。5年が過ぎ、日本の人民はきっと暗闇から抜け出し、再建の道をより力強く歩んでいるものと確信している」

 

 

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