注目集める就学前教育問題

 

今年の全国人民代表大会、全国政治協商会議(両会)における教育に関する議題の中でも、就学前教育は委員たちの間で激しく討論される議題の一つとなっている。一昨年、昨年に続き、今年もまた多くの委員が就学前教育を義務教育の一環とすることで幼稚園入園問題を解決しようと呼びかけている。

全国政協委員の花亜偉氏は以下のように話す。「『13・5計画』では『就学前教育3年間計画』を実施する必要があることを提起しているだけです。私は就学前教育を義務教育にし、法律で保障するように訴えています。個人的には政府の就学前教育に対する、特に農村地域の就学前教育に対する関心が不十分だと考えています。多くの出稼ぎ労働者の子女は都市での幼稚園への入園が非常に困難です。子供の問題が解決されなければ、いわゆる『健康な中国』『中国の夢』もまた語ることはできません」

全国政協委員で北京師範大学教育学部教授の劉焱氏は、現在の中国における「困難な入園」「高い入園費」に対し、私立の幼稚園が多過ぎること、一方で、質が良く適正な値段の公立幼稚園が少ないことを原因に挙げ、社会のニーズに対して満足には応えられていないと指摘した。全面的な「二人っ子政策」の実施に伴い、新たなベビーブームが到来した時、以上のような教育に関する問題はさらに深刻化していく。劉氏は政府が就学前教育に対してさらなる投資を行うことで、公立幼稚園の割合を増やし、就学前教育の公益的な福祉提供を実現する。

全国政協委員で上海市教育科学院副院長の胡衛則氏は貧困地域の就学前教育問題に、特に注目している。胡氏は一部の特別貧困地域の就学前教育は資源が不足している上に教師の質も劣っており、幼稚園運営の条件は良いとは言えないと指摘する。そのため、一部の特別貧困地域で率先して就学前教育の学費免除を実施し、農村における就学前教育の費用を中央と地方の財政が地域・割合の比例によって分担し、貧困地域の子どもたちが就学前教育を受ける権利を保障するべきだと提案した。(文=高原)

 

人民中国インターネット版

 

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