周明偉委員:中日の民間友好交流、これまで以上の熱意を

 

中日関係は例年の全国両会(全国人民代表大会、全国政治協商会議)において、国内外メディアの共通の注目点になる。中国外交部の王毅外交部長は数日前の記者会見で、日本側の歴史などの問題に関する誤ったやり方により、近年の中日関係は深手を負っており、今後を楽観視できないと表明した。

全国政協委員、中国外文局局長の周明偉氏は、中国網の独占インタビューに応じた際に、次のように述べた。

中日間の脆弱かつ敏感な政治関係以外にも、両国の近年の民間交流において生じた問題についても同じく注目する必要がある。

民間の友好交流は、中日関係の基盤だ。中日国交正常化の前後、両国関係の良し悪しにも関わらず、中日の民間関係は政治危機の解消、両国の国民間の意思疎通・信頼・理解の促進、両国の文化交流の促進などで常に重要な役割を演じ、特別な力を発揮してきた。しかしながら、中日国交正常化40周年後、両国の政治関係が苦境に陥ると同時に、両国の民間関係にも一部の問題が生じ始めた。

(一)両国の民間組織は、両国関係の認識と方法の処理において一面的な性質を見せている。例えば中国側の一部の民間組織は、日本側の態度が変わらなければどうしようもない、という態度を貫いている。これは表面的には非難すべきではないように見えるが、実際には民間の友好交流は両国関係が良好な時だけではなく、両国関係に問題が生じた場合にいっそう力を発揮し、中日の政治関係の良好な発展を促すべきだ。

(二)一部の民間組織は、中日関係の好転は完全に日本の歴史問題に対する認識にかかっていると、限定的な考え方をする。確かに中日関係が徐々に回復・発展するかについては、日本側の政治家の歴史問題に対する観点にかかっている。これは中日関係の大きな、越えがたき問題だ。しかし我々は日本側の態度に変化が生じて、初めて行動に出るだけではならない。双方の民間による積極的な行動が、日本側の政治家の多くの重大な政治・歴史問題に対する観点の変化を促すのだ。

(三)中日は共に、両国の民間友好交流への意欲と積極性が欠けている。この10年弱の期間に渡り、日本側の政治家の、両国の歴史・領土問題に対する認識の誤りが、中日関係の正常な発展を著しく損ね、両国の各方面の交流を妨げた。この状況下、民間が失望し、静観するのも理解できる。しかしそのような時こそ、双方の民間組織はより積極的に民間交流を展開し、民間の新たな歴史条件、政治・経済関係、大きな国際環境下における両国関係の認識を促進する必要がある。これは現在の中日関係の問題を解決するため、非常に積極的な力を発揮する。そのため一部の民間組織は現在の、静観という態度を調整する必要がある。

(四)中日の民間交流には、組織、人員、交流枠組み、理念の老化という問題がある。中日関係が苦境に陥る状況下、双方の民間組織は観念を調整するべきだ。両国の前の世代の友好交流の使者を模範とし、粘り強く困難を克服し、さまざまな手段により民間関係の発展を促進し、両国関係の改善における特別な力を発揮し続ける。また両国の民間交流は計画と調整に力を注ぎ、活動の内容・形式・理念の革新に取り組むべきだ。両国の民間交流と政治関係における問題の解決に的を絞り、両国の圧倒的多数の人々の利益という大局を重視し、国際・地域の両国関係の正常化に対する願いに配慮し、両国の国民間の理解・友好・協力の拡大を促すべきだ。

周氏は習近平国家主席が昨年5月に人民大会堂で、日本側の3000人規模の訪中団を前にして発表した重要な談話について触れ、次のように述べた。

習主席の10分間の談話の内容は、新指導部の中日関係の発展、特に中日の民間友好関係の発展に対する理念と願いを明らかに示した。中日関係は両国の国交正常化後、最も苦しく最も冷え込んだ状況を迎えた。習主席は非常に毅然たる言葉により、中日関係の前向きな発展への期待をはっきりと表明した。また中日両国の民間友好交流の歴史的な地位、現実的な責任、両国関係の前向きな発展の促進に関する特別な力についてはっきりと言及した。両国の若者の民間友好交流への積極的な参与への希望を示し、とても感動的な談話となった。

周氏は、「現在は中日の政治関係の改善に取り組むと同時に、両国の民間交流に力を注ぐべきだ。これまで以上の熱意と関心によってこれを促し、より大きな力を発揮し続けるべきだ」と強調した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年3月14日

 

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