中国製造のブランド確立、「両会」代表・委員らが提言

 

中国自動車メーカー・奇瑞の最新型車は3月10日、チリの首都・サンティアゴで発売された。中国の自主ブランド車が海外で先行発売されるのはこれが初めて。チリは「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の重要な沿線国。奇瑞の今回の試みは、海外進出で攻勢を強める「中国製造」(メード・イン・チャイナ)の姿を映し出す美しい縮図とも言える。

今年の政府活動報告には、「装備、技術、基準、サービスの海外進出を推進し、中国製造(メード・イン・チャイナ)というブランドを確立させる」ことが盛り込まれている。「両会」(全国人民代表大会、全国政治協商会議)に参加している代表・委員らはこれについて討論し、それぞれの見解を述べた。

「中国製造の海外進出を拡大させるには、内外の両面からアプローチしなければならない--」。全国政治協商会議の馬培華委員は、製造業のレベル向上、品質の改善、信頼構築を図ると同時に、海外ハイレベル製造業との協力を一層深める必要があると指摘。「中国の製造業が今日の発展を成し遂げたのは、技術などを導入、消化、吸収し、そして再創造することが大きな役割を果たしてきた。これからは、海外ハイレベルの製造業との協力をさらに拡大する必要がある。協力の強化を図りやすい環境を築き、製造業の流出を防がなければならない」との見方を示した。

香港利万集団有限公司の董事長を務める王志良・政協委員は、中国製造の海外進出を一層推進するには、ブランド構築の制度・体系の整備も必要と指摘した。「先ごろ発表された“2015年企業ブランド価値ランキングトップ100”で、世界貿易大国の中国からは華為(ファーウェイ)と聯想(レノボ)の2社のみがランクインした。中国製造のブランド構築の推進に注力しなければならない」と語った。

また、王委員は中国製造を下支えする人材育成の重要性を強調。大学、専門学校、職業訓練機関の役割を発揮させ、資質の高い技術者を育てる。中国製造というブランドを背負う企業による専門的な技術人材、品質管理人材、科学研究・技術人材の導入・育成をサポートし、人材面で中国製造のブランド構築を支える。

億陽集団董事長の鄧偉・委員は、「われわれは工匠(職人)精神を提唱している。それには相応する考課制度と待遇も必要だ」と指摘した。「大国の職人としてのプライドを高め、中国が製造大国から製造強国への転換を果たすには、まずは従業員の技術考課基準を整えるのが礎となる」と語った。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月15日

 

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