中日関係改善に双方努力を 周明偉全国政協委員が期待

王焱・文

3月7日、全国政治協商会議のグループ会議終了後、全国政協委員、中国外文出版発行事業局(外文局)局長の周明偉氏が本誌の単独インタビューに応じ、今年の中日関係に関する展望と期待を語った。

記者:『人民中国』の読者は中日関係の動向について特に深い関心を持っています。昨年、習近平国家主席が日本からやってきた3000人の訪中団と会い、講演して以来、中日関係に温かさが戻る兆しが見え始めましたが、昨年下半期から今年の年初にかけての全体的な状況は「寒暖定まらず」と形容されています。周委員は中日関係についてどのような見解をお持ちでしょうか?

周明偉委員 中日関係は動揺の時期を経て、昨年、双方のハイレベルを含む各界が具体的な努力を重ね、両国関係改善の願望を表明しました。目下のところ、状況は確実に改善していると思います。一部の重要問題について、ある程度のコンセンサスか形成されつつあります。これは当時かなり先鋭化していた問題が、相対的言って、鎮静化していることを意味しています。これは一歩前進であり、両国関係の緩和と両国交流の回復にとって、大いに積極的な役割を果たしています。

しかし、中日関係はさまざまな原因―特にここ数年の歴史認識問題、領土問題という基本的な問題において、衝突と矛盾が発生し、両国関係にかなり深い傷を与えました。この傷は直接、間接にこれまで少しずつ温かさが回復に向かっていた雰囲気に影響を与えました。これが、中日関係は温かさを取り戻したとは言え、依然として脆弱だと言われる理由です。

記者 現在の状況下で、中日関係をしっかり地固めし、もろさを克服して安定させるために、中日双方はどのような努力をすべきでしょうか?

 こうした現下の状況に対して、中日関係に関心を持っている人々は期待しつつ、またもどかしさも感じています。関係改善の脆弱性は両国関係のあるべき正常な発展に影響を与えるばかりでなく、実際に、両国の経済、政治、外交以外の周辺の問題にも影響を与えています。こうした問題は両国のさまざまな努力を通じて、徐々に和らげ、わだかまりをほぐし、最終的に解決に導かなければなりません。しかし、目下のところ、ある程度の時間的なプロセスが必要でしょうね。

今年は中日双方のハイレベルが接触する機会が多いと思います。例えば、中日双方の経済発展、金融安定化の分野で問題が起きるでしょうが、そこに新たな協力とウインウインの余地が必ず生まれると思います。また、北東アジアの安全保障問題はこの地域自体の安全保障というだけでなく、中日関係に直接影響します。特にこの中で朝鮮半島と米国のファクターの影響が大きいでしょう。本来的にもろさを抱えた中日関係は、この地域の新たな安全保障のファクターが出てくると、新たな相互理解と関係強化なるか、あるいはこれによってさらに複雑化する可能性もあります。これらは今年、慎重かつ真剣に取り組み、解決しなければならない課題です。また別な言い方をすれば、両国関係には新たな機会が出現しているとも言え、また真剣に解決すべき新たな問題が出現している、とも言えます。

私は個人的に、中日両国の地域安全保障上の協力に対して、期待感があります。両国が地域安全保障問題で、相互に共感を見出し、地域安全保障推進の面で、新たな、そして少しずつ深化する協力関係を作ってほしいと希望しています。

記者 民間交流の面で関係改善に役立つ今年の事業にはどのようなものがありますか?

周 今年、中日両国経済はともにモデルチェンジのプロセスにあり、こうした好機を利用し、中日経済を推進する新たな時間的、空間的な条件下で協力の機会をどのように模索し、どのように開拓するか―これが両国の経済、貿易界に突き付けられている課題だと思います。投資、貿易、産業協力の各方面で、今年は新たな機会が生まれると思いますが、この新たな機会に新たな協力関係を構築できるか否かは、両国の経済・貿易界の皆さんの共同の努力にかかっていると思います。

記者 『人民中国』のような伝統的な対日報道メディアの新たな状況下での位置付けと、果たすべき役割についてのお考えをお聞かせ下さい。

周 『人民中国』の本質は民間交流に立脚し、政府に協力し、全ての交流において、文化を媒介にして、双方の理解と認識、了解と折り合い、協力と称賛を推進することだと思います。現在の『人民中国』もその本質は少しも変わっていません。

 新たな情勢下でも『人民中国』は果たすべき役割を果たし、伝達技術、受け手に大きな変化が起きている中で、イノベーションを検討して行くべきでしょう。このイノベーションは雑誌作りの概念にも及びます。『人民中国』は新技術の効果をもっと多く借りて、コンバージェンス・メディア(融合メディア)の役割を発揮すべきでしょう。ソーシャルメディアのプラットホームを借り、雑誌をベースに、各プラットフォームで迅速に情報を配信し、マルチメディア、コンバージェンス・メディアとして発展すべきでしょう。そうすることによって、さらに報道の対象を明確にし、ブランドの影響力を高め、対日報道の効果を高めていくべきでしょうね。

記者 周委員は長年にわたって対外友好活動に携わって来られ、昨年は外文局を率いて、第11回北京‐東京フォーラムを成功裏に行いましたが、このフォーラムは中日相互理解にどのような役割を果たしていると評価されておられますか?

 昨年引き継いだ時点で、北京‐東京フォーラムはすでに10年間継続されており、一つの新しい段階に達していました。中日双方ともこのフォーラムにもっと良い役割を発揮し、もっと大きな社会的影響力を及ぼしてほしいという願望がありました。こうした段階で、外文局がこの中日交流の重要なプロジェクトを引き継ぎました。これは今、数少なく、かなりハイレベルで、範囲の広い交流プロジェクトです。

各方面の努力と協力によって、昨年のフォーラムは全体的に言って、大成功だったと言えます。各方面から非常に高い評価をいただきました。私はこうした高い評価はこのフォーラムの影響力に関係があり、フォーラム自身のスタイルに関係があり、フォーラムが目下の中日関係の大局において果たしている役割に関係があるからだと信じています。

私たち外文局のチームワークによって、かなり順調にフォーラムを開催し、好評をいただいたことを心から喜んでいます。しかし、これはすでに過ぎたことです。私たちにとって初回のフォーラムには多くの新たな役割が割り振られたばかりですが、将来的な試練と問題点は、初回の困難に比べて決して小さくはないでしょう。たとえ私たちが熟知し、問題処理の能力を高めているとしても、さらに多くの新たな問題に遭遇するでしょう。

記者 今年のフォーラムでは新たな問題に遭遇するだろうとのご指摘ですが、どのような点に期待されていらっしゃいますか?

 今年のフォーラムは日本で開催されます。輪番開催という条件下で、どのように双方が情熱を保ち、出席者の高レベルと代表性を保ち、双方が望む共通認識とメディアに対する効果を保つかなどの面で新たな問題が起きるかも知れません。特に日本で開催する際の事務的なことはまだ経験していません。そのため、私たちにとって、初めてフォーラムを開催すると同じことになります。

今年、私たちは多くの新たな問題に直面するでしょう。しかし、全体的として、私は日本側の現在の運営計画を尊重し、双方が最大公約数を求めようと考えています。フォーラム主催する双方は運命共同体であり、成功も失敗も双方の責任です。フォーラムを首尾よく開催することが双方の目標です。そこには食い違い、矛盾、わずらわしさが必ずあるでしょう。しかし、双方とも積極的な態度で臨み、準備作業での意思疎通を通じて、相互信頼、相互理解を深め、共同でプラスエネルギーを増やし、努力しようと願っています。私たちは今年のフォーラムにもっと多くの中日双方の学者、エリート、政府の政策決定者、教育関係者、世論のけん引車であるメディア関係者を結集できると希望しています。彼らが中日関係の健全な発展について、もっと多くのコンセンサスを形成することができ、中日が協力し共同で二国間あるいは地域の問題研究について、新たな努力とブレークスルーを達成できることを希望しています。

 

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