2016年ボアオ・アジアフォーラム年次総会のポイントは?

 

2016年ボアオ・アジアフォーラム年次総会が22日に海南省で始まった。アジアと新興経済国が成長の厳しい試練に直面するなか、フォーラムでは何が議論されるのだろうか?

中国に経済成長の「弾薬」はどのくらいあるのか?

「第13次5カ年計画」(十三五、2016-2020年)の開始年にあたり、構造改革も進む見通しの2016年が、中国経済にとって重要なのは言うまでもない。今年の春はまだ、中国経済の寒暖が定まっていない。2月の生産者物価指数(PPI)は48カ月連続で前年同期を下回ったが、低下率は2カ月連続で縮小。1-2月の固定資産投資は前年同期比10.2%増で、前年の通年上昇率を小幅に上回った。鉱工業生産は上昇率の低下が続き、ここ8年で最も低い水準まで落ち込んでいる。

中国政府は2016年の国内総生産(GDP)成長率の下限目標を6.5%に定めた。国務院の李克強総理は政府活動報告で、今年は成長の困難な局面がさらに拡大し、試練も厳しさを増す可能性があるため、全力を上げて十分な準備を行う必要があるとの見解を示した。複雑な情勢に対応するための「弾薬」に注目が集まる。

毎年、「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の開催後にボアオ・アジアフォーラム年次総会が開かれる。中国政府の指導部が外部に向け、経済政策の理念と将来の調整方針を明らかにする重要な場だ。今年は李克強総理がボアオ・アジアフォーラム年次総会に出席して講演を行う予定で、どのような政策サインを発信し、中国経済に対する信頼感の向上を図るのかがに最大の焦点となる。

アジアの「老大難」問題をどのように解決するのか?

現在のアジア経済に漂う不透明感には、国際商品価格の低迷や、貿易と投資の減速、金融市場の大きな変動などが関連している。特に、新興経済国が抱える「老大難」(既存の大きく困難な)問題など、ここ数年にわたり地域全体を悩ます問題については、一刻も早く解決策を探す必要がある。

これが今回のフォーラムの重要なテーマだ。3日間のなかで2000人を超えるアジアの政界・実業界・学会のリーダーが、原油安が常態化になるのか、貿易の失速が続くのか、もしくはどのように転換するのか、通貨安が輸出を刺激するのか、国際生産能力の提携はどのように進むのかなどのテーマについて話し合う。思考のぶつかり合いと頭脳の集まりのなかで、参加者がこうした問題に対する新たな視点や考え方を打ち出し、アジアの新たなロードマップを掲げる手助けとなることが期待される。

成長の新たな原動力はどこに?

アジア経済の回復につながる目玉を欠くなか、新たな成長ポイントをどのように開拓するのか?2016年ボアオ・アジアフォーラム年次総会は、「アジアの新活力:新活力と新ビジョン」をテーマに、成長の新たな原動力について話し合うには最高の場となる。

今回の参加者は、インターネットによる伝統産業の高度化、文化・観光・スポーツなど新興産業の成長加速、創業とイノベーションの推進をどのように行うかに関心を持つ。また、構造改革、改革をめぐる原則、注意事項などについても議論する。フォーラムでは、短期と長期の成長ニーズに配慮し、実務的な観点と大きな視野をもって地域経済成長を促進する「処方箋」が出てくる見通しだ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月22日

 

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