ボアオ・アジア・フォーラム2016年年次総会が22日に開幕し、世界の視線がアジアに注がれる。世界経済の回復の足取りが重いなか、アジアの安定した発展の歩みが注目される。昨年は一時的な市場の変動があったものの、アジア経済は全体的に比較的速いペースの成長を維持しており、世界で経済発展が最も活発な地域の1つとなっている。
国際通貨基金(IMF)のまとめによると、2015年のアジア新興国・発展途上国の経済成長率の伸びは小幅に鈍化したものの、6.6%の伸びを維持。世界平均の2倍を上回る水準で、世界成長への寄与率は50%を上回った。中国の経済成長は主な経済国の中でも上位に位置し、成長エンジンとしての役割は依然として群を抜いている。東南アジア諸国の経済も良好に推移しており、インドネシアはV字回復を実現、タイは回復ペースがやや加速した。南アジアも一段と活況を呈し、インドは世界でも経済成長率が高い国の1つとなっている。
2015年は中国の経済成長率がやや鈍化したものの、アジアの経済成長を引き続きけん引し、その寄与率は50%を上回った。国内消費の需要増を背景に、中国はASEAN、韓国からの輸入消費財の総額が増加、中国人の海外旅行者数は1億4000万人を突破し、日本、韓国、ASEAN諸国に巨大な収益をもたらした。中国の対外直接投資も増加が続き、2014年はアジア諸国への投資額が全体の過半数に達した。2015年は対ASEAN投資が60.5%増加し、アジアのインフラと輸出産業の急成長の原動力となった。
アジア諸国は昨年の輸出の下振れと短期的な市場変動について、一部の西側メディアから中国の経済成長鈍化の波紋だと揶揄された。しかし世界銀行の評価では、中国の経済成長鈍化による韓国、マレーシア、シンガポールなどへの影響は、G7の成長鈍化の影響の2分の1にも満たない。中国はASEANにとって7年連続で最大の貿易相手国となっているが、最終製品輸出という観点から見ると、ASEANの主要市場は米国と欧州だ。先進国の成長鈍化こそが、アジア諸国にとって外需低迷の主因となっている。アジア諸国の金融市場と先進国との結びつきは強く、域内の金融一体化は進んでいない。中国の金融市場の動向がアジア市場に与える実質的な影響は限定的で、誇張すべきではない。
先進国の成長減速、世界の貿易成長の大幅鈍化を背景に、アジアの経済成長は構造調整とモデル転換、新旧エネルギーが入れ替わる苦しい時期に差し掛かっているが、その原動力は衰えず、明るい見通しが続く状況に変わりはない。中国は「第13次5カ年計画(十三五、2016-2020年)」計画実施に向け、一段と高いレベルの開放型経済発展に注力する。アジア諸国の産業の相互補完的な優位性発揮と連携融合発展の実現に向け、より大きな成長余地を提供する。今年のボアオ・アジア・フォーラム年次総会のテーマである「アジアの新しい未来:新しい活力と新しいビジョン」が示すように、アジア諸国が強い信頼感を持って緊密な協力を進めれば、経済成長に新たな活力を注入し、繁栄と発展への新たなビジョンを描くことができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月22日
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