アジアは世界経済のエンジン 着実に世界経済の成長を後押し

 

ボアオ・アジア・フォーラム2016年年次総会が中国海南省で開幕。世界経済の回復が鈍いなか、アジア経済の情勢変化とチャンスが注目されている。構造調整から相互連結、地域経済一体化に至るまで、アジア経済は世界経済のけん引役として着実に前進しており、中国はその中で重要な役割を演じている。

アジア開発銀行副チーフエコノミストの庄巨忠氏は新華社の取材に対して、「2015年はアジアの発展途上国の成長がやや鈍化したものの、アジアは依然として世界で経済成長が最も速い地域であり、世界の経済成長への寄与率は60%に達する。アジア経済の一体化の推進に伴い、アジアの発展途上国は外部からの衝撃に対処する力が一段と強まる」と述べた。

庄氏はまた、「中国は域内貿易、生産ネットワーク、バリュー・チェーン(価値連鎖)などについて、アジア諸国と緊密な連携をとっている。中国はFDIの重要な対象国であり投資国でもある。近年、中国経済の急成長はアジアの経済発展の主な原動力となってきた。2014年を例にとれば、アジアの発展途上国のGDP全体に占める中国の割合は56%に上った」と指摘した。

豪シドニー工科大学(UTS)中豪関係研究院の羅震副院長は、アジアの経済情勢は今後も世界の他の地域をアウトパフォームすると予想。その主な根拠として、「経済規模の大きい中国が内需主導型の経済成長に注力しており、アジア経済の強力な成長エンジンとなる」ことを挙げる。

地域経済については、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉を早期に完了すべきだとし、フォーラムがおのずと重要な交渉に関する議論の場になるとみている。

インドネシアASEAN南洋財団の主席は、「世界経済の成長力が依然として弱く、厳しい試練が続くなか、アジア経済は弾力性を維持できる見込みだ。技術革新がすでに経済成長の重要な原動力となっており、アジア諸国は協力して産業の育成とイノベーションを進める必要がある。この分野では、中国、日本、韓国とインドが先行している」と述べた。

日本大学商学部の李克教授は、「アジア経済の一体化にとってフォーラムは大きな推進力となる。アジアでは東アジアと東南アジアの経済規模が大きく、東アジア経済が最も大きなウェイトを占める。東アジアと東南アジア経済は緊密に連携しており、域内貿易は勢いよく発展している」と指摘した。

英ノッティンガム大学教授で著名な中国系エコノミストである姚樹潔氏は、「アジアの新興国は産業の一極集中を回避し、技術革新とインフラ分野への投入を強化、製造業とサービス業の収益向上を図るべきだ。中国にとっての最大の試練は、如何にして内発的発展を実現し、量的拡張から質的向上への成長モデルに転換するかだ。新旧エネルギーが入れ替わる時期は、辛抱強さが求められる」と語る。

米ピーターソン国際経済研究所客員研究員のディヤンコフ氏は、中国の「一帯一路」構想について、「アジア市場と欧州市場を結び大規模経済圏を構築するだけでなく、沿線国の世界経済への参入を助ける」と指摘。「欧州、アジア、世界経済への融合が可能となるため、多くの国々にとって非常に有益だ」としている。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月23日

 

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