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中国で出会った人

 

庄崎 友紀

中国に対するイメージは一体どんなものがあるだろうか。人口が多い、国土面積が広い、中華料理、世界遺産がたくさんある、日本への観光客が多い、PM2.5などがあるだろう。

私自身はというと、以前は中国に対して良い印象をもっていなかった。

そんな私の中国に対する印象、とくに人についての印象が変わるきっかけは今年の3月に中国へ1カ月いったことだ。結果から言うと私はこの旅で出会った中国人がみないいひとばかりとても好きになった。私が出会った人の中で印象に残っているのは、天津のデパートのトイレで出会った清掃員のおばさんとお客さんだ。偶然私と友達が日本語で話しているのに気がついて話しかけてくれた。私はいきなり話しかけられて驚きと何か言われるのではないかという怖さでびくびくしていた。するとその清掃員のおばさんは「どこから来たの?中国語を勉強しているの?中国のどんなところが好き?」などとどんどん質問してきた。

そして私のつたない中国語を一生懸命聞いてくれて、「とても上手に話すわね。あなたたちみたいに中国を知ろうとしてくれる学生がいてとてもうれしいわ。私は日本の富士山や寿司が好きよ。日本には2回行ったことがあるけれど、ほんとうに素敵なところだった。」と笑顔で本当に楽しそうに語ってくれた。中国人の中には日本に対して良くないイメージを持った人が多いと思っていたので、このおばさんに会ってこんなふうに日本を好きだと言ってくれる人に会えてとてもうれしい気持ちになった。

また別の日には、交流会で出会った学生が自宅へ招待してくれた。私は友達と二人で学生の家に行ったのだが、その日は友達の誕生日前日だった。学生の家に着くと、おばあさん、お母さんが一緒に出迎えてくれて、お母さんお手製のとてもおいしい餃子をふるまってくれた。学生は、「中国では、誕生日の前日に餃子を食べる習慣があって一緒に誕生日をお祝いしたかったんだ!中国の文化に触れてもっとこの国を好きになってほしい。」と言ってくれた。学生の家族も「また中国に来た時には必ず遊びに来て!」と言ってくれて、帰りにはたくさんのお土産と素敵な手紙をくれた。

まだまだ沢山の素敵な出会いがあったが、特にこの二つの出来事が強く残っている。私は実際に中国へ行ってみて、中国人は日本人よりも外国から来た人を「おもてなし」しようする気持ちが強いと感じた。またこの旅で感じたことは「百聞は一見に如かず。」だ。人に限らず、環境や建造物など、この1カ月見たものすべて、中国に行く前にネットやたくさんの人から聞いていたよりもすばらしいものだった。この旅行を経て、中国についてもっと知りたくなった。と同時に中国の人々に日本を紹介できるように、日本についても学ぼうと思った。私はこの先また中国を訪れたい。そのときは日本について中国語で紹介したい。今は日本で、中国語をはじめ文化や歴史について学んで知識を増やしている。そして実際に中国に行ってまだ知らないことだらけの「中国」にじかに触れて、教科書や参考書では学ぶことのできない知識を超える見識を増やし、また、日本という国を多くの中国人に伝えていきたい。

 

人民中国インターネット版 2016年3月

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