紅専廠 |
珠江北岸に位置する員村は、かつて中国最大の缶詰工場「広東罐頭廠」の所在地だった。この工場は1950年代に旧ソ連の援助により建てられたが、後に移転のため廃棄され、古い建物やさびた機械、樹皮がまだらになった老木だけが残されていた。しかし2009年、この不用になった工場地区において、創意あふれる若い芸術家たちは自由奔放な芸術的インスピレーションを駆使して、廃棄された工場の建物をロフト式のアートエリアに改造した。エリア内に多数の赤れんがの旧ソ連式建築があったことと、これらの建築が生まれた「又紅又専(思想面でも専門面でも優れている)」と呼ばれる時代を記念するため、芸術家たちはこのエリアに「紅専廠」という名前をつけた。こうして長く眠っていた工場跡地は再度エネルギーを得てよみがえったのだった。
数年の開発を経て、紅専廠はその濃厚な芸術的雰囲気のために、広州の文化的シンボルの一つとなり、芸術と人文、流行、レジャーが一体となった新しい都市生活空間を提供している。広州では、紅専廠に来たことがなければ、「文芸愛好者」「プチセレブ」といったカテゴリーに入ることができないくらいだ。
広州の大学に通っている阿慧さん(21)は初めて訪れた時から紅専廠に夢中になってしまったという。彼女は「初めて来たのは13年に『日本 アニメキャラクターの王国に触れる』というイベントがあった時です。私は日本のアニメが好きなので、あのイベントで日本の各年代の有名なキャラクターのフィギュアやグッズを見て、中には一番好きなちびまる子ちゃんもあって、すごくうれしかったです。それ以来、時間があればここにきて展覧会を見たりして、芸術空間にいるという感覚を楽しんでいます」と言う。阿慧さんのように、紅専廠を好きな人々が大切にしているのは一種の気分だ。紅専廠最大の魅力は、近づきやすい生活の雰囲気である。ここでは展覧会を見たり、交流会や講座に参加したり、食事や散策をしたり、アート作品を買うこともできる。紅専廠では、芸術は冷たい展示ケースに閉じ込められた、お高くとまったものではなく、目で見ることができて人々の生活に密着したものなのである。
紅専廠芸術区 住所/広東省広州市天河区員村四横路128号 電話/(020)85578470 時間/(公共展示館)10:30~21:00 料金/無料 交通/地下鉄5号線員村駅B出口より西へ徒歩10分
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