米日、シャングリラ会合で南中国海問題を利用か

 

対立をコントロールし、南中国海問題を平和的に解決する中国の誠意は、フィリピン新政権のみならず、すべての当事国に向けられている。31日付バンコク・ポストは、プラウィット副首相兼国防相が、中国―ASEAN合同演習の実施に同意したと伝えた。プラウィット副首相は月曜日、「地域内のすべての国が一致すれば、タイは中国と全ASEAN諸国による合同演習への参加を望む。東南アジア諸国は同演習の議論を予定しているが、会談の日程は決まっていない」と述べた。

報道によると、中国は全ASEAN諸国との合同演習を提案した。これは南中国海の長期的な係争を解決しようとする、中国の取り組みの一つだ。ラオスの首都ビエンチャンで先週、ASEAN国防相会議が開かれた際に、中国の常万全国防部長は再び合同演習の実施を提案した。

地域内の多くの国が、南中国海の平静を願っている。しかし米国などの域外勢力の高圧的な介入により、この願いの実現が困難になっている。米国の一部の高官のそそのかしを受け、西側メディアは3−5日にシンガポールで開催されるシャングリラ会合に目を向けている。AFP通信によると、カーター米国防長官は安全フォーラムに出席するため、火曜日にシンガポールに向け出発した。中国の「南中国海における軍事拡張」が、再びシャングリラ会合の焦点になる。カーター氏はオバマ政権の4人目の国防長官に就任以来、中国の南中国海における島の建設に強硬な態度を示しており、昨年のシャングリラ会合でも中国側の活動を批判していた。カーター国防長官は先週金曜日、中国が「自己を孤立させる長城」を建設していると述べ、中国から批判を浴びた。

日本の毎日新聞によると、中谷元防衛相はシンガポールでシャングリラ会合に出席を予定しており、演説の中で「航行の自由」を強調することで、中国が南中国海で推進中の「軍事化」活動をけん制するという。

中国海軍軍事学術研究所の張軍社研究員は、2015年のシャングリラ会合に出席した。張氏は環球時報に対して、「一部の国は中国を念頭に置き、使い古されたセリフを繰り返し、中国が弱いものいじめをしている、島礁の建設で現状を変えているなど、偏った批判をするだろう。今年はシンガポールが一方的に申し立てた南中国海の仲裁の結果がまもなく発表され、新たな内容となる。一部の国はこの問題を誇張し、この問題をめぐり中国を攻撃するだろう。シャングリラ会合は各国の国防部門が対話と交流を促進し、信頼を醸成する場であるべきで、一部の国が南中国海問題を誇張・喧伝する場になるべきではない」と話した。

中国社会科学院の専門家の許利平氏は、「米国は南中国海問題をATM扱いしている。南中国海問題を何度も取り上げることで、米国はアジア太平洋で政治的な影響力を拡大し、米国の軍需メーカーの武器輸出を支援し、東南アジア諸国から経済面のメリットを手にできる。東南アジア諸国をより開放的にし、TPPに加入させるなどだ。そのため米国は一連の手法を用い、南中国海問題を中国けん制の切り口にしている。南中国海問題は米国にとって、軍事的意義よりも政治的意義の方が強く、軍事的な脅威を与えているのではなく政治的な挑発を加えている。東南アジア諸国にとって、大国に近寄りすぎればリスクが拡大する。大国の間でバランスを取ろうとしても、失敗すれば大やけどすることになる」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年6月1日

 

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