成都は中国西南部に位置する大きな中心都市であり、面積は1万2390平方キロメートル、人口は1400万強、中国西部地区で初めて地下鉄が開通した都市である。

この都市は中国西部地区でも自家用車と国際フライト数が最も多い都市で、さらに運輸速度が一番速く、使用頻度も最も高い中欧直行の貨物運輸列車も持つ。

唐代の有名詩人李白はかつてこのような詩句を記した。「蜀道は難しい、青い空に上がるくらいに難しい」。今では詩の中に描かれた情景は完全に変わった。経済の高速発展と絶え間ない対外開放のレベルアップにより、成都は一躍重要な交通拠点となったのである。

成都の盛んな経済により、成都住民の自家用車総保有台数は全国都市の中でも三番目となっている。

市民に機能的で迅速な公共交通サービスを提供するために、成都は地下鉄路線を運輸の骨幹とする公共交通総合システムを造り上げることを決定した。

2010年9月、成都で初めての地下鉄が開通し、中国西部地域で初めて地下鉄サービスを提供した都市となった。

地下鉄１号線は成都の南と北を結び、市の中心地区と成都の南方にある新興のハイテク区と天府新区を有機的に結び付けた。

成都を横に貫く東西に伸びる地下鉄２号線は2012年9月に運行を開始し、これは市の中心地区と龍泉驛区、郫県をつなげる。龍泉驛区は中国でも重要な自動車産業基地のひとつで、郫県は食品と文化産業で有名で、さらに多くの大学やハイテク企業の所在地でもある。

都市発展計画によれば、成都は続けて18本の地下鉄路線を建設する予定で、2025年までに完成・運行させて、中心地域と郊外地区をカバーする地下鉄ネットワークを形成する。そのときには地下鉄は45％の市民の足となるだろう。

成都の公共バスシステムも絶えず改善・進化している。市民の需要に基づいて新たなバス路線が開通し、バスの数量、特にエコ型車両の数量が増え、さらに大部分のバス停がインテリジェント電子バス停となり、自動的にバスの現在地を表示し、市民に利便を提供している。　市中心の交通渋滞を緩和するために、成都では2012年に第二環状道路が再建され、その中でも快速バスシステムを増設し、2013年5月から使用開始された。快速バス専用路を走る車両の運行速度は以前に比べ2倍の速さとなっている。

これと同時に成都は西に向けて開放された重要な都市として、中欧に至る成都・欧州貨物鉄道も今まさに未曾有の方法で成都を中心とする西部地域ないしは中国の対外物流の従来の構造を変化させている。

2013年4月26日、成都・欧州貨物鉄道が正式に開通し、この中欧への鉄道貨物運輸の直通路は西南部内陸奥地が直接ヨーロッパ市場に向かうことを可能にし、成都というこの西部の内陸都市の西向きの門が完全に開かれ、中央アジア、中東、ヨーロッパや独立国家共同体への安定した、素早い、安全な物流路がここに開かれたのである。

統計データによれば、昨年末までに成都・欧州貨物鉄道は合計70往復強の列車が運行され、運送コンテナ量も2700個余りで、中国で現在のところ最も安定して運行される、速度が最も早く、最も競争力をもつ中国と中欧を結ぶ列車となっている。成都・欧州快速鉄道列車有限公司の関係責任者によると、現在の成都・欧州貨物鉄道は片道12日間に安定しており、次には10日間に短縮される見込みで、成都と外界との距離はますます近くなるだろう。

これと同時に2014年10月、成都はさらに昆明・貴陽という２つの都市と成都・欧州貨物鉄道を共同利用する枠組み協議を締結した。これは成都・欧州貨物鉄道が中国西南部の３大都市間を結ぶ物流協力となることを意味しており、さらに一歩成都の中国西部の物流センターとしての地位を固めるものとなるだろう。

先日、成都で初めて、成都・重慶・西安・昆明の４都市で「成渝西昆菱形（ダイヤモンド）経済圏」を建設するという国家による計画が提起された。「一帯一路」戦略と、長江経済ベルト戦略の相互連絡をさらにスムーズに実現できるばかりか、国家地域経済協力発展の新たな戦略プラットフォームの構築に有利となり、東、中、西部のさらによい均衡のとれた共同発展を推進し、西部大開発のアップグレードを成し遂げるものとなるだろう。

このほかに、成都はすでに中国で５番目の鉄道ハブとなっている。すでにある密集した鉄道網以外にも、成都・綿陽・楽山路線が昨年末に開通し、成都・蘭州などの路線も建設が急がれている。３～５年以内に成都で「二環十射」の鉄道ネットワークが建設され、周辺の省都都市である貴陽、蘭州、昆明、西安、武漢まで４時間、北京・天津・河北、珠江デルタ地帯、長江デルタ地帯まで８時間の鉄道交通圏が形成される予定である。