仲裁前に中国が武力誇示、西側メディアは白黒を転倒=中国専門家

 

豪ニュースサイト「News.com.au」は4日、「中国は自国に不利な仲裁結果の発表前に、武力誇示を開始した。米国と他国の軍艦がこの1年間、南中国海で航行の自由を宣言し、軍事活動が増加を続けている。米国は南中国海に原子力空母を派遣し、日本とインド、さらには豪州も軍機と軍艦を派遣している。中国は不満を表明し、米国の偵察機を戦闘機で遮り、さらに永興島に軍機と地対空ミサイルを配備している。間もなく開始される西沙諸島の軍事演習は、崖っぷち政策というゲームの最新の一手だ」と報じた。

オンライン雑誌『ザ・ディプロマット』は4日、「南沙諸島ではなく西沙諸島を軍事演習に選んだのは、中国の戦術的な考慮によるものだ。南沙諸島は仲裁後、各国が注目する焦点になる。また中国政府は昨年、南中国海で軍事化を行わないと約束した。そのため南沙諸島で軍事演習を実施すれば、非常に挑発的だ」と論じた。

4日付香港紙『南華早報』は、シドニー大学の研究者の分析を引用し、「軍事演習の時期を見ると、中国が仲裁結果が出される前にこれを軽視する態度を意図的に示そうとしているようだ。しかしこれは高圧的な反応とは限らない。これは中国が世界からの圧力に屈することはないことを示し、かつ米国とASEAN諸国に対して、仲裁の結果がどうあれ中国は南中国海での軍事的プレゼンスを強めていくという姿勢を示す」と伝えた。南京大学の朱鋒教授は4日、同紙に対して「軍事演習はむしろ、米国が先月、南中国海に駆逐艦3隻を派遣したことへの反応だ」と述べた。

海軍軍事学術研究所の張軍社研究員は4日、環球時報に対して「中国軍が自国の領土で行う定例の軍事演習が批判されるいわれはなく、特定の目標を念頭に置くものではない。演習は主に実戦化訓練により、中国軍の国家主権・安全を守る能力を高め、使命・任務遂行能力を強化することを目的とする。演習はまた中国の主権・安全を脅かそうとする外部勢力に対しても、必要な抑止効果を発揮する。一部の西側メディアは、今回の演習は時期的にも地理的にも『挑発的』な場所を選択したと誹謗しているが、これは完全に白黒を転倒している。中国軍が自国の領土で演習を行うことは、一部の国が遠路はるばる南中国海を訪れ、中国を念頭に置く海と空の軍事演習を行い、軍事的な恫喝をし、南中国海情勢の緊張を煽る手法とは完全に異なる」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月5日

 

 

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