米、南海問題でASEANはアジア復帰の戦略的道具 |
フィリピン前政権が一方的に提起した南海仲裁の最終裁決が7月12日に発表されることについて、フィリピン外務省は7月8日に記者会見で、「裁決が終わった後、フィリピン新政権は速やかに中国側と直接会談を行い、中国と最も良好な関係を結ぶことを期待する」と明らかにしました。また、カンボジア外務省は7月9日に声明を発表し、「カンボジアは国際仲裁裁判所の南海問題に関する仲裁を支持せず、国際常設仲裁裁判所が下した中国とフィリピンの南海問題における裁決に対するいかなる立場にも参加しない」と表明しました。 現在、中国とASEANはすでに自由貿易エリアを設立し、双方の年間貿易総額は数千億ドルに達しています。社会科学院アジア社会文化研究室の許利平主任は、「南海問題が注目されることは当面、中国とASEANの共同利益を損なうだけでなく、将来のASEAN共同体の設立プロセスにマイナスの影響を及ぼす」と述べました。 また、新華社通信がこのほど『南海仲裁案はASEANを害する「毒薬」だ』と題した論評を配信し、「フィリピン南海仲裁案はASEANの一体化プロセスの求心力と団結力を損ない、ASEANの既存の規則とASEAN地域の安全を害する」と指摘しました。さらに許利平主任は、「南海問題が注目されることで、アメリカにとって南海地域に足を踏み入れることが有利になる。アメリカは安全に関する議題においてASEANを人質に取ってアジア再均衡戦略を実現させ、落ちぶれてしまったASEANはアメリカの戦略的道具となるだろう」と述べました。 (hj 星)
中国国際放送局日本語部より 2016年7月11日
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