ダブルスタンダードは国際法治への冒涜

 

フィリピンの南中国海仲裁裁判のいわゆる裁定が示された後、米国など少数の数カ国は大変高揚し、「法律の尊重」の旗印を掲げて中国に圧力を加えようと企てている。事実を顧みず、不法で無効な裁定の提灯を持つこうした行為自体が法治の精神に合致せず、国際法と国際関係の基本準則に背くものであり、この茶番においてこうした域外政治勢力が演じた不名誉な役割を一層明らかにすると同時に、南中国海問題の関係各国による海上情勢の適切な管理・コントロール、争いの平和的解決に障害をもたらした。(人民日報「鐘声」国際論評)

フィリピンのアキノ政権が南中国海仲裁裁判を一手に仕立て上げて以来、米国、オーストラリア、日本などは、国際法を遵守せず、国際ルールを破壊しているとして、しきりに中国を明に暗に非難し、いわゆる裁定の履行をしきりに中国に要求した。こうした懸命な様は、口には出せない戦略的目的の自然な発露に他ならず、中国側の立場の合理性、合法性をみじんも覆い隠せず、中国側の立場に対する国際社会の正義の勢力の支持を変えることもできない。

米国、オーストラリア、日本といった西側諸国は、南中国海仲裁裁判の問題で堂々と国際法の旗を掲げているが、国際法治関連の自らの問題を扱う際の現実のやり方とは鮮明なコントラストを成しており、その偽善性と横暴性を十分に暴露しているということを指摘しておく必要がある。

長年、西側の一部の国は国際法の適用において、都合が良ければ用い、都合が悪ければ退けるというダブルスタンダードをとっており、違法の「模範」を1つ、また1つと示してきた。世界最大の海洋強国である米国は国連海洋法条約の定める海洋権利を享受し続ける一方で、海洋覇権が制約されることを嫌いから、遅々として加盟せず、義務の履行を回避してきた。米誌フォーリン・アフェアーズは「米国は国連海洋法条約について起訴されたことはない。これは中国と異なり、米政府がそもそも批准していないからだ」と少し冗談めかして指摘した。1980年代、ニカラグアは同国内における米国の不法な軍事及び準軍事行動による主権侵害について国際司法裁判所に米国を提訴し、勝訴した。だが米国は強硬姿勢をとり、この国連の最も主要な司法機関の管轄権に関する判決の受け入れを拒み、実体訴訟手続きへの参加を拒み、裁判所の最終判決を認めることを拒み、履行しなかった。当時、米国のカークパトリック駐国連大使は国際法体系を「半合法、半司法、半政治的な実体」と描写した。これは関係国はその決定を受け入れるか受け入れないかを選択できるというロジックだ。

日本も「我先にと争って」国際法に違反している。南極での捕鯨活動が国際司法裁判所に国際捕鯨取締条約違反と認定された。国際司法裁判所は南極での捕獲許可の発給停止を命じた。日本は口先では判決を尊重するとしたが、実際には自制せず、国内の捕鯨行為を規範化する適切な措置も講じなかった。盟友であるオーストラリアですらこれを見かねて、日本の国際法違反を強く非難した。

こうした西側諸国と鮮明なコントラストを成すのが中国であり、国際法の尊厳を一貫して揺るぎなく守っている。習近平国家主席は平和共存五原則発表60周年記念大会で、各国は国際関係の法治化を共に推し進めるべきだと指摘した。「各国が国際関係において国際法と一致して認められた国際関係の基本原則を遵守し、統一的に適用される規則によって是非を明らかにし、平和を促進し、発展を図るよう後押しする」。これは国際法治の維持と建設に尽力するとの国際社会に対する厳かな約束であるのみならず、国際法治の建設とはつまるところ国際関係において普遍的に適用される規則を用いて是非を明らかにし、権利の帰属を定めて争いを止め、協力・ウィンウィンを図ることであり、国際法を借りて覇権・強権を助長することでも、他国に訴訟をそそのかして紛争をそそのかし、国際法治を誤った道へと導くことでもないことを深く、詳しく説明するものだ。

西側諸国が国際法を選択的に適用するのと異なり、中国は国際法の外交実践への融合を一貫して堅持してきた。これまでに中国は23000余りの二国間条約を締結し、400余りの多国間条約に加盟し、ほぼ全ての政府間国際組織に参加し、地続きの隣国14カ国中12カ国と交渉や協議を通じて90%近くの陸上国境を確定した。外国との付き合いにおいては、中国は国の大小、強弱にかかわらず、全て平等に扱うことを主張し、大国であるからといって小国を欺かず、強国であるからといって弱国を虐げることもない。

国際法治の問題において、米国など少数の国は中国の教師になる資格がないだけでなく、徹底的に反省し、長年の覇権主義、利己主義、虚偽主義、ダブルスタンダードを捨て去り、国際法と国際関係の基本準則を実際の行動によって履行すべきだ。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年7月15日

 

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