米軍高官が仲裁後に初訪中、中国は空母開放で友好をアピール

 

リチャードソン米海軍作戦部長は昨日より、3日間の訪中を開始した。この米海軍最高クラスの軍人の初訪中に当たり、中米両国は南中国海仲裁案をめぐり火花を散らしている。中国はいわゆる臨時仲裁裁判所の違法仲裁を認めず、受け入れないと再三宣言しているが、米国は「仲裁には法的拘束力がある」と繰り返している。

仲裁には履行させるためのいかなる効力もないため、米国、日本、フィリピンなどの一部メディアは、米海軍の空母に期待している。中には中米が南中国海で衝突すると、待ちきれず予想している人もいるほどだ。中国人民大学の王義桅教授は17日、環球時報の記者に対して「中米が完全に判断ミスを回避できない状況下、危機が生じたらどうすれば良いだろうか?そのためリスクを管理・制御する枠組みにより、双方の偶発的な軍事衝突を回避しなければならない」と指摘した。

軍高官の顔を合わせた交流が重要

米海軍専門誌『ネイビー・タイムズ』によると、リチャードソン米海軍作戦部長は17日より、3日間の訪中を開始した。リチャードソン氏は北京市と青島市に滞在する。ホスト役を務めるのは、中国人民解放軍海軍司令員の呉勝利上将だ。リチャードソン氏は出発前、中国の同僚との顔を合わせた会談は、その他の形式によって代替されることはないと述べた。

時事通信は、「南中国海仲裁案後、米中海軍の最高指揮官は現在まで電話会談を続けていた。リチャードソン氏の訪中により、双方は初めて直接面と向かって会談する。南中国海問題、米海軍が主催する環太平洋合同演習も、双方の会談の話題だ。中国海軍も環太平洋合同演習の参加者の一人だ」と報じた。

中国軍事問題専門家の李傑氏は、環球時報に対して「米海軍は軍政・軍令の2つの構成であり、海軍部長は背広組だ。リチャードソン海軍作戦部長は海軍作戦システムと制服組のトップだ。米海軍の作戦指揮は、彼が担当する」と述べた。

「リチャードソン氏は米国の国家戦略を推進する。中米双方は核心的・戦略的問題で異なる観点を持つが、双方のリスク管理・制御ルートは80−90もあり、多くの連絡メカニズムと合意内容を持つ。リチャードソン氏は今回、米海軍の国家戦略における役割について説明すると同時に、オバマ政権の指示に基づき南中国海、東中国海などの問題をめぐる協力を中国と模索する」

ドイツメディア「Finanzen.net」は17日、「中米は南中国海の係争を外交で解決する。米国は静かな外交を推進し、中国に反対しけん制するため地域の力を集結させていないことを証明しようとしているようだ。リチャードソン米海軍作戦部長は日曜日より訪中し、計画に基づき北京で中国海軍本部を視察し、中国軍の高官と会談する予定だ。リチャードソン氏は青島市で、中国海軍潜水艦学院を訪問し、遼寧艦を視察する」と伝えた。

李氏は環球時報に対して「リチャードソン氏の遼寧艦訪問は、中国側の友好的かつ開放的な姿勢だ。遼寧艦はこれまで、ヘーゲル元国防長官に開放されたことがある。中国は軍隊の透明度を高め続けており、一部の戦略的な艦艇も米国に開放している」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月18日

 

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