G20サミット、国際社会の期待を担う4つの使命

 

9月4、5両日に杭州で開催される第11回G20サミットについて、国際社会は2014年の第22回アジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議に続き中国が主催する世界的影響力を持つ盛大な会議であり、中国にとって今年最も重要なホームグラウンド外交活動でもあり、世界経済の成長促進、世界経済ガバナンスの強化などの分野で各国が協力を展開するうえで重要なプラットフォームになるとの認識で一致している。(人民日報「鐘声」国際論評)

杭州サミットの議題を分析すると、国際社会共通の期待を担う4つの使命がある。

第1に、世界経済の成長促進のために処方箋を出す。現在、世界経済は回復力に乏しく、成長は緩慢で、貿易と投資の二大エンジンは動力が足りず、国際金融市場の変動は激化し、経済の下押し圧力が依然残っている。新たな世界金融危機発生の可能性を完全には排除できないとする見解すらある。こうした中、国際社会は杭州サミットにことのほか注目し、各方面の期待が高まっている。会議期間、各国首脳は成長方式の革新、国際貿易・投資の立て直しなどについて重点的に議論し、関係措置を定める。短・中期の世界経済成長予測の安定に着眼するとともに、世界経済の長期成長を後押しする効果的な策についても考える。議長国である中国側は成長促進について中国の主張を打ち出す。これにはG20が成長革新のビジョンを定め、構造改革の優先分野、指導原則、指標システムを確定し、世界貿易の成長戦略、世界の投資政策の指導原則など重要文書をまとめ、国際・金融構造改革を深化し、世界経済の力強く、持続可能で均衡ある成長を全方位的に、多次元から後押しすることが含まれる。

第2に、国際協力推進の原動力を増やす。世界金融危機発生以来、G20構成国は互いに助け合い、共に困難を克服して、世界経済の成長回復に重要な貢献を果たした。G20構成国は近年、エネルギー、労働者、気候変動の分野でも広範な協力を行なってきた。杭州サミットはこの趨勢を継続し、気候変動、腐敗防止分野における国際社会の協力深化を後押しするとともに、重要な成果を挙げる。例えば気候変動分野では、G20各国は国際協力を深化し、パリ協定の早期発効を後押しし、各国による積極的な行動を調整し、国際社会の気候変動対策に貢献する。反腐敗分野では反腐敗・逃亡犯逮捕・不法取得資産没収ハイレベル原則を定め、反腐敗・逃亡犯逮捕・不法取得資産没収研究センターを設立し、反腐敗行動計画2017-2018を定め、原則、メカニズム、行動の三位一体の反腐敗構造を構築し、腐敗に手を染めた者の逃げ場がG20各国にないようにする。

第3に、国際開発事業に新たな1ページを開く。最大の開発途上国である中国は杭州サミットが「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実行においてリーダーシップを発揮するよう後押しする。サミットは開発分野で2つの「初めて」を実現する。初めて開発問題を世界マクロ政策の枠組で際立った位置に据える。初めて持続可能な開発のための2030アジェンダの実行をめぐり行動計画をまとめる。杭州サミットは最も多くの開発途上国を招待しており、開発途上国の代表性が最も強いG20サミットとなる。中国は「G20が注目するのは自らの幸福だけでなく、全人類の共同発展だ。アフリカと後発開発途上国は歴史上最も多く不公平な扱いを受けてきた。直ちに工業化プロセスを加速し、自己発展能力を高めなければならない。杭州サミットはこうした国々の工業化加速を支援し、貧困削減と持続可能な開発という目標を実現するために歴史的貢献をする」とのメッセージを国際社会に発したいと考えている。

第4に、世界に中国を感じさせる新たなチャンスをもたらす。中国経済は新常態(ニューノーマル)に入り、過去と比べ多少減速したが、発展はより健全で持続可能なものとなっている。8月に米国のピュー・リサーチセンターが発表した世論調査では、現在中国経済の状況は良好だと考える中国人は87%で、回答した世界16カ国の民衆で最も多かった。これは中国政府の経済ガバナンス能力を中国民衆が十分に信頼していることを物語っている。杭州サミットで各国の来賓は間近に中国の発展の大きな余地と潜在力を感じ、中国国民の手厚いもてなしを感じ、中国文化の独特の魅力を感じる。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年8月23日

 

 
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