G20サミット開催の杭州、現金不要のモバイル決済都市

 

主要20カ国・地域(G20)首脳会議(杭州サミット)が9月4〜5日に浙江省杭州市で開催される。杭州は「中国7大古都」の1つであり、豊かな歴史と文化を誇るだけでなく、中国のインターネットが盛んに発展している最先端の都市として、その潜在能力は極めて大きい。

杭州は中国の電子商取引(EC)の代表的な都市だ。ここはECの専門サイトが集まるところであり、全国で密集度が最も高い中小企業クラスターがあり、世界的に有名なECグループ・アリババ(阿里巴巴)の本社がある。アリババのプラットフォームはショップ1千万店以上と消費者4億2300万人を発揚し、その取引額は3兆920億元(約47兆2846億円)に達し、これは欧米の一部の先進国の年間の国内総生産(GDP)を上回る規模だ。2008年に中国電子商取引協会から「中国電子商取引都市」の称号を授けられた杭州は、現在は「グローバル電子商取引都市」へと発展しつつある。

インターネットには「現金は持たずに、携帯電話だけ持って出かけるとしたら、どの都市が一番暮らしやすいか」という質問をよく見かけるが、その答えは杭州だ。杭州は今や世界最大のモバイル決済都市と言えるだろう。北京大学インターネット金融研究センターが今年7月に発表したインターネット金融発展指数(第3期)の報告書によると、杭州の指数は1202.88ポイントで全国トップだった。

杭州では、衣食住や交通などあらゆる面でオンライン決済が利用できる。レストランでの食事やタクシーへの乗車、観光のほか、野菜市場での買い物までモバイル決済が可能だ。現在、スーパーとコンビニの95%以上、タクシーの98%以上がモバイル決済に対応できる。今年8月16日からは、「支付宝」(アリペイ)で公共交通のバスの乗車料金を支払う試みがスタートし、支付宝を利用し地下鉄の乗車料金を支払うプランも制定作業が進められている。

杭州は金融包摂の構築にも力を入れており、金融サービスを水道、電気、ガスなどと同じようなインフラにしたい考えだ。北京大学国家発展研究院が発表したデジタル金融包摂指数のデータによると、2011年から15年の全国337都市の同指数番付で杭州は1位だった。またモバイル決済、信用情報、資産運用事業、投資、保険の各分野でも全国トップで、杭州は今では世界最大のモバイル決済都市だ。

情報経済は杭州経済の発展の重要な推進力であり、15年には市内の情報経済生産額は2313億8500万元(約3兆5403億円)に達して、前年比25%増加し、同市のGDPの23%を占めた。インターネットに関連したインターネットファイナンス、EC、モノのインターネット(IoT)などの産業の発展もめざましい。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2016年8月29日

 

 
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