中国が杭州サミットに多くの途上国を招いた理由

 

第11回G20サミットが9月4、5両日に浙江省杭州市で開催される。G20構成国の首脳以外に、杭州サミットは発展途上国を過去最も多く招待し、途上国の参加度をかつてないほど高める。人民日報が伝えた。

G20は先進国と途上国及び異なる地域の均衡に配慮しているが、先進国の「過度の代表」と途上国の「代表不足」という現象も存在する。中国の今回の行動にはこの「民主の赤字」を補い、グローバル・ガバナンスへの途上国の参加度を高める狙いがある。

中国国際問題研究院の阮宗沢常務副院長によると、途上国は今回のG20杭州サミットで大いに異彩を放ち、注目されることとなる。たとえば今回はチャドのデビー大統領、エジプトのシシ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領、ラオスのブンニャン・ウォーラチット国家主席、セネガルのサル大統領、タイのプラユット首相などが招待されて出席する。

7月5日、G20民間社会(C20)会議2016が青島で開幕した。会議のテーマは「貧困根絶、グリーン開発、革新駆動と民間の貢献」。G20構成国、来賓国、途上国、非政府組織の代表及び国連、アフリカ連合、ASEANなど国際・地域組織の代表計約200人が出席した。会期は5、6両日。(人民視覚撮影)

チャドはアフリカ連合の輪番議長国、セネガルはアフリカ開発のための新パートナーシップの議長国、ラオスはASEANの輪番議長国、タイは77カ国グループの輪番議長国だ。エジプトとカザフスタンは途上国の代表だ。これから分かるのは、こうした国々が相当広範な代表的意義を備えており、成功経験を広め、G20をアフリカ連合、ASEAN、77カ国グループなどへ組み込み、途上国の声と訴えが十分に表明されるようにすることだ。これは今回のサミットのテーマである「革新的で、活力ある、連動した、包摂的な世界経済の構築」と高度に符合する。今回のサミットはG20の歴史において途上国の参加度と存在感が最大だ。

先進国と途上国が平等なパートナーとして同じテーブルにつき、世界経済の長期的で健全な発展の大計を共に計画する。これは会議構成の一層の代表性、包摂性を示すものだ。

阮氏によると、中国は先進国と途上国の懸け橋であり、途上国とG20の懸け橋でもある。世界経済ガバナンスへの無数の途上国の積極的な参加をいかに実現するかが日増しに差し迫った問題となっている。今年のG20議長国として、中国は開発を特に強調している。こうした来賓を招待することでG20の活動への途上国の参加度を高めるのは時代に合わせた進歩であり、G20の活動への途上国の参加を広範に後押しし、G20と協力パートナーシップを構築する助けとなる。

現在世界経済が低迷しているのは、発展の不均衡が原因の1つだ。G20への途上国の参加を拡大することは、世界の均衡ある発展の実現にとって積極的な意義がある。2008年の世界金融危機以降の実践は、途上国が先進エコノミーと共に困難を乗り越え、協力・ウィンウィンを実現できることを証明している。これはG20がわれわれに示した1つの重要な啓示だ。

中国は初めて「発展」をグローバル・ガバナンスの核心的位置に据えた。これは途上国の関心と高度に符合する。途上国の代表性を高めることで、途上国の声が今回のG20杭州サミットで十分に体現されるようにする。先進国と途上国は国際経済問題を平等に協議し、平等に決定する。これは世界経済構造の重大な変化を反映し、時代の発展の潮流に符合するものであり、歴史の進歩だ。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年8月29日

 

 

 
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