中国財政部長 「G20財政金融ルート、顕著な成果」

 

主要20カ国・地域首脳会議(G20杭州サミット)の開催が間近に迫った。中国財政部(省)の楼継偉・部長(財務相)はこのほど、人民日報記者の取材に対し、「年初に確定したG20財政金融ルートの各種政策目標はほぼ達成され、顕著な成果が表れており、その成果を杭州サミットで提出する予定だ」と述べた。人民日報が伝えた。

G20財政金融ルートは、今年に入り、杭州サミットのテーマをめぐり、3回のG20財務相・中央銀行総裁会議、4回のG20財務副大臣・中央銀行副総裁会議、20回以上の作業チーム・研究チーム会議を開催し、グローバル経済情勢、「強力で持続可能なバランス成長の枠組み」、投資とインフラ、国際金融の構築などをテーマに討論を展開した。その結果、多くの影響力ある成果が生まれ、G20サミット開催における財政金融政策の準備が整った。

中国は、今年のG20ホスト国として、財政金融ルートの面で革新メカニズムの構築に力を入れ、G20が危機対応から世界経済の長期的効果を備えたガバナンス体制へのモデルチェンジを実現させ、注目点を短期政策から構造性改革にシフトするよう推進した。中国側の大々的な推進のもとで、構造改革のトップレベルデザインが強化され、構造改革の九大優先分野と48項目の指導原則が明確化された。また、構造改革の発展と成果を評価する指標が制定された。このような根本的に問題を解決し、世界経済の成長を促進するコンセプトはG20史上初となった。

財政金融ルートの成果は、「革新」「活力」「連動」「包摂」の各分野をカバーしている。

「革新」面では、成長方式の革新が強調され、G20革新成長の青写真が提出された。新産業革命やデジタル経済などの成長方式を通じて、構造改革とともに、世界経済の中・長期にわたる持続可能な発展のために強固な基盤を構築した。これも、中国が進行している供給側構造改革の強化、供給システムの質や効率を高めるための改革強化と一致している。

「活力」の分野では、G20マクロ経済政策を強化することで経済活力を保持し、通貨・財政・構造改革措置を総合的に運用し、成長の促進と信頼の安定を目指すことが提出された。世界銀行と国際通貨基金の改革推進、BEPS(税源浸食と利益移転)対応を含む枠組み構築、国際金融監督管理体制のさらなる推進、先進国による気候資金拠出承諾の督促、主権債務再編体制とグローバル金融セイフティネットの完備など、グローバル経済のガバナンスのさらなる改善によって経済を活性化するとともに、グローバル経済の活力と持続可能性を高めるための制度上の保障が提供される。

「連動」については、G20が利益共同体意識を確立するのを推し進め、各国経済の密接な良性連動を強め、協力を通じて課題を乗り越えていく。特に、「一帯一路」(the belt and road)の提案との結合によって、MDBs(国際開発金融機関)による対インフラ投資が拡大し、世界のインフラ相互接続レベルを向上させ、情報が自由に行き交い、調和した構造を備えた、プロジェクト協力の新プラットフォームが構築された。

「包摂」の面では、G20構成国が、経済成長、特に、中小企業の発展における包摂性を高く重視するよう促した。また、税収の増加を重要課題の一つに据え、G20構成国が発展途上国の税収分野での能力向上を支援するよう促し、これらの国が国内資源を活用して成長促進能力を強化することを目指した。

今年に入り、国際経済金融情勢は厳しい試練に直面するようになり、リスク因子も次から次へと生まれている。財政金融ルートは、G20構成各国がマクロ経済政策で調和を保ち、経済成長と金融市場安定を促進するよう、最大限の努力を尽くす。具体的な措置は次の通り。

1.通貨・財政・構造性政策など、各国あるいは共同で利用するあらゆる政策ツールを承認する。これにより、強力で、持続可能で、バランスの取れた成長という目標の実現を目指す。

2.為替市場と密接な意思疎通を図り、通貨競争による価値下落を回避し、競争が目的とならないよう、為替レートに眼を光らせる。また、各種形式による保護主義に反対する。

3.成長をバックアップし、潜在リスクに対応するため、今後も、必要時に講じるべき各国の国情に合わせた政策・措置に対する研究を続ける。

4.英国のEU離脱、難民・移民問題、テロリズムなど、経済・金融に脅威を及ぼし得る潜在的リスクに対応できるよう、しっかりと準備する。(編集KM)

 

「人民網日本語版」2016年8月30日

 

 
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