中国の指導力を目撃するG20サミット |
9月4、5両日、G20サミット議長国の中国は世界の外交の大きな舞台へと変わる。世界の主要エコノミーと重要な国際組織の首脳が杭州に集まり、トップレベルの対話を行なう。2008年の世界金融危機以来、中国はG20の活動に積極的に参加してきた。そんななか、今年G20サミットが中国で開かれる。国際社会は中国の声を聞き、中国の案を知りたいと考えている。中国も斬新な姿で、熱情をもって、指導力を示す。(文:阮宗沢・中国国際問題研究院常務副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載) 第1に、杭州サミットは革新をテーマに定めた。今年のG20サミットは複雑で変化に富む国際情勢に直面している。協力・ウィンウィンか、それともゼロサムゲームか。共に困難を乗り越えるのか、それとも排斥し合うのか。議長国として中国は英知を結集したうえで、「革新的で、活力ある、連動した、包摂的な世界経済の構築」をテーマとして確立するとともに、「政策調整の強化、成長方式の革新」「より効率的な世界経済・金融ガバナンス」「力強い国際貿易・投資」などの重点的議題をめぐり議論を行なう。「革新」が今回のサミットの最大の目玉であることが分かる。これは革新型国家の構築に努める現代中国の理念の延長線上にある。事実が証明するように、革新思考を堅持し、協力・ウィンウィンで、共に困難を乗り越える道を歩んで初めて、世界経済の難題を解決する道を見出すことができる。 第2に、杭州サミットは発展の旗を高く掲げている。発展格差を縮小することは力強く、持続可能で均衡ある成長の実現に必須だ。今年のG20サミットは発展の議題において2つの「初めて」を創造した。それは「初めて」発展問題をグローバル・マクロ政策の枠組における際立った位置に据えたことと、「初めて」「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実行をめぐり系統だった行動計画を定めたことだ。また、今回のサミットはG20の歴史において発展途上国の参加が最多のサミットでもある。チャドはアフリカ連合の輪番議長国、セネガルは「アフリカ開発のための新パートナーシップ」の議長国、ラオスはASEANの輪番議長国、タイは77カ国グループの輪番議長国だ。エジプトとカザフスタンは途上国の代表だ。中国側はこれらの来賓国をG20サミットに招待し、世界経済ガバナンスの重要事項を共に協議し、多数の途上国が世界経済ガバナンスのトップレベルの対話に直接参加できるようにする。これは途上国が現行の世界経済ガバナンス構造で一層の発言権を得る助けになる。 第3に、杭州サミットは中国の自信を伝える。現在、世界経済は全体的に低迷し、人々は懸念や悲観を抱いている。金融危機からすでに8年が経つが、切望される力強い回復はいつになるか分からない。主要エコノミーのマクロ経済政策の分裂、保護貿易主義の台頭が人々の自信を蝕んでいる。中国が今年のG20サミットを託された独特な優勢は大変明らかだ。すなわち、中国は依然中・高度成長を維持している主要エコノミーであり、30年余りの改革開放の経験もあり、これを世界と分かち合うことで、中国の案を世界の案に変え、世界経済の成長に新たな活力を与えることができる。中国は現在の世界経済の病巣には対症療法と根本的療法の双方が必要だと考える。金融危機が襲った際、各国はいずれも「西洋医学の手術」で対処し、景気刺激または量的緩和政策を講じた。その後遺症は明らかだ。現在は「中国医学による養生」が必要だ。構造改革を行なってこそ、根本的な解決となる。この考え方はG20のモデル転換推進の助けとなる。 要するに、G20は最も多忙な多国間外交の場であり、杭州サミットは中国にとって今年最も価値のあるホームグラウンド外交となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年9月1日
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