馬懐竜さん(49)は青島市北区興隆街道派出所で勤務するコミュニティーのお巡りさんで、担当地区には7000世帯余の住民が暮らしている。わずかな流動人口を除いて、彼はほとんどすべての家を訪ねたことがあり、全ての家の電話番号が彼のパソコンに記録されている。この8年来、生活困難家庭、独居老人や孤児の面倒をみるために駆けずり回って来た。
武連芳おばあちゃんは脚を患っているが、娘さんはほとんど家にいなくても、彼女は家の固定電話のショートカットキーの「1」を押すだけで、馬さんを呼ぶことができる。馬さんは彼女を支えて、家から300~400㍍はなれているコミュニティーの診療所に連れて行く。往復1時間近くかかる。
徐竜君は興隆路コミュニティーで一人暮らしをしている孤児だ。父は彼が10歳の時に、母は14歳の時に病死し、青島に親戚が一人いるが生活困難で彼を養育する力がない。馬さんは徐君に最初に会ったときから、責任を持って彼の面倒を見てきた。
徐君は、ある年の初夏に、いつものように馬さんが見回りに来て、彼が冬用の厚い掛け布団で寝ていることを見ると、翌日、ウールの掛け布団を買ってきてくれたと、話していた。年越しは毎年、馬さんの家に連れて行って、家族と一緒に過ごさせてくれるそうだ。年を越すと、馬さんは徐君を隣近所の年始回りに連れて行ってくれるそうだ。
ここ数年の間に、馬巡査は何年も潜伏していた殺人犯逮捕を手伝ったこともある。その他、数十件に及ぶさまざまなもめごとを解決した。また多くの身体障害者、生活が困難だったり、重病人がいたりする家庭のために支援金を集める手伝いもしている。さらに多くの刑期を満了して釈放された人の戸籍を探し、仕事を探し、最低生活保障や低家賃住宅入居の申請を手伝っている。
一人の人民警察(民警)の巡査として、馬さんは本来の任務ではない「面倒なこと」をたくさん引き受けている。「私が定期的に独居老人を見回っていなければ、もし家で何か起きたら、われわれは仕事を辞めなければなりませんよ」と語り、「もし私が刑期満了者に気を配らなければ、万一、彼らが手元にお金がなくなったり、あるいは社会が冷たいと感じて、再び犯罪の道に戻ってしまったりしたら、それは最終的にはわれわれの責任ですからね」と言い切った。(王萌)
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面倒を見る人がいない武連芳さんを二日置きに見舞う馬さん(左) |
人民中国インターネット版 2016年9月18日
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