東方の漁都 | ||
車は魯家峙大橋を通り抜けて、「東方の漁都」と呼ばれる沈家門漁港に来た。この漁港は、ペルーのカヤオ漁港、ノルウェーのベルゲン港と並んで世界三大大衆型漁港と呼ばれる。いわゆる大衆型漁港とは、オフィシャルに設立されたわけではなく、全て天然の地理的条件がそろい、自然に形成した漁港だ。沈家門漁港は舟山本島の東南側に位置し、東海に面して青龍山と白虎山を背に据える。2つの天然の屏風が長さ約5000㍍、幅200㍍余の無風地帯を形成した。1409年に砦が建設され開港し、現在に至る。沈家門の漁港には600余年の歴史があり、古代東アジアの海のシルクロードの重要な中継港で、明州(現在の寧波)から日本、高麗へと続く航路の中継点にあった。 当時の小さな漁村は現在では国際的に有名な漁港に成長した。沈家門漁港の海産物の産出量は全中国の十分の一、商用の魚は半数を占め、第一位にランクされる。ここは通年万隻の船が往来し、最も多い時期、漁港には全国各地の数十万の漁民が集まると言われる。漁期には船の帆が林のように連なり、魚の山、エビの海が独特の島の漁港風景を作っている。夜になると万の魚灯がともり、美しさは天の川に煌く星のように数え切れない。 沈家門の漁港を歩くと、現在は休漁期でピチピチ跳ねる魚やエビを見ることはなかった。見渡す限り全て船で、船が隣接して並び一歩またぐと隣の船に移ることができる。現地の人が言うように、これら隙間なくビッシリ並んだ船は沈家門漁港に掛かる大きな浮橋のようで、船を伝っていけば対岸まで歩いていける。時には岸辺の船上で網の修理する人を見る。謝小飛さん(28)は安徽省出身で、この漁港に働きに来て8年になる。漁期には船に乗って漁船数隻で海に出て魚を捕る。一年の半分を海上で過ごし、休漁期は主に休息や整理で過ごし、網の修理をすることもある。自分も網を作れるし、生活の隅々まで海に関係していて、毎年休漁期は一年の中でも貴重な余暇の時間だという。
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