海洋に感謝する休漁

 

舟山本島の北部に位置する岱山は、舟山で2番目に大きな島で、中国12海島県の一つでもある。岱山は5000平方㌔近くの開けた海域あり、長江、銭塘江の海に流れこむところあり、水流が交わり魚類に豊富な栄養を運んでいる。舟山の漁業の発展の歴史なら岱山をあげないわけにはいかない。岱山の悠久の漁業史は代々伝わる海洋文化の習俗を作り上げ、毎年東海の休漁季になると、漁民は盛大な祭海儀式を行って海龍王を祭り、大海に感謝の心を表す。

今年の祭海儀式は6月16日に岱山東北角の鹿欄晴沙海壇で執り行われた。岱山全県から320人の漁民代表者が集い、伝統的な漁民の服装に、手に香と蝋燭を持って会場に入場する。礼炮と太鼓の音とともに海壇上の噴泉が瞬間的に立ち上る。人々に担がれ、龍王の神牌が海のほうから勢いよくやってくる。漁民たちは豚や羊、五牲(フウセイ、太刀魚、ヒラ、ワタリガニ、イカ)、五穀(とうもろこし、大豆、米、小麦、粟)を担いで祭壇に向かう。主祭が酒を捧げ祭文を読誦して、漁民たちは音楽や踊りで神々に祭りを告げる。荒々しく気迫ある漁歌の掛け声の中で、漁民は漁家独特の身体であらわす言語で海洋への感謝の意を述べ、次の漁期の大漁と無事を祈る。その後80人の少年が魚の桶を持って、ゆっくりとフウセイの稚魚を海に放ち、新生を象徴すると同時に、海洋資源を守り抜く決意と自然との調和の願いを表す。

岱山の休漁謝洋大典は2005年の創始以来、成功裏に11回目を迎え、「漁民開洋謝洋節」の一部として国家レベルの無形文化遺産の目録に編入された。謝洋大典は舟山群島・中国海洋文化節の始まりで、今後は「海洋」という主題をめぐり、謝洋1000人の宴、漁民武道大会、漁女網つくりレース、無形文化遺産街、魚市たたき売り等の活動を通じて、現地の独自の海洋文化と民俗の内容を理解してもらう。

岱山の休漁謝洋大典で、慎重に東海龍王の神牌を担ぎ祭壇に向かう漁民の青年

 

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