中大街を歩き定海の歴史の余韻を感じる

 

古い中大街に古代と現代の融合を感じる

 

舟山の歴史を語るなら定海を挙げないわけにはいかない、古くから舟山の中心だ。史実によると今から5000余年前にはここに人類が居住していた。春秋時代、定海は越に属していて、当時「甬東」と呼ばれていた。清の康熙帝27年(1688年)「定海県」が設立され、第1次アヘン戦争の時期は、かつて「定海保衛戦」の主戦場であった。国家のために身を捧げた戦士たちが守り抜いた定海古城は、現在ではにぎやかな町になって、唯一当時の古い定海の余韻を残すところが中大街だ。

中大街は旧称を八甲街と呼び、明末、清初に建てられ、ここを歩けば珍しい明清風の建築が見られる。道は長くはなく200㍍程度に店が立ち並んでいるのが舟山商店街だ。これまで何度も修繕は経たものの、古い町並みのもともとの面持ちはそのまま再現されている。

中大街には、これら古い建物の他にも多くの店がある。瑞和菓子店は創業100年の老舗で、経営者は70歳の老夫婦だ。紹介によると店長は祖父の時代から受け継がれたもので、清の時代には中大街に店をかまえ、当初は麦芽糖を主としてその後各種の菓子経営を始めた。菓子の種類は絶えず変化したが、代々伝わる技と伝統の味は変わらない。店の看板菓子は一つ8元のもち米で作った細長いもちで、真っ白で美しく、甘く柔らかで、手に持つとぬくもりが伝わる。おばあさんは自慢げに、「全てのお菓子は当日朝に作ってその日に売ります。毎年旧暦の2月2日の祭りの日が一番売れて、入り口に行列ができますよ」

200㍍にも満たない街に、伝統的な老舗を除いても、数多くの新しい文芸店が店を開いていて、海洋文化あふれる精巧な船の模型、美しい貝の彫刻が見られる。雑貨店やペットカフェに入って、古い街なみの午後の優雅な時間を味わうのもいい。ここでは、老いも若きも自分の思い出と居場所を見つけることができる。

 

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