国際情勢が異常に複雑化し、世界秩序の「新陳代謝」が紆余曲折を経ているなか、習近平主席が19日にペルーのリマでアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、「パートナーシップの深化と発展動力の増強」と題する基調演説を行った。今年は中国のAPEC加入25周年でもある。習主席の今回の訪問は、2016年の中国の特色ある大国外交を締めくくり、中国が2017年にさらなる開拓と革新に取り組むことを示した。
まず、「アジア太平洋の発展促進」に関する4つの主張で、世界経済成長に向け新たな道を切り開いた。
(一)「経済一体化の促進、開放型経済の建設」
開放はアジア太平洋経済の生命線だ。国際貿易の発展は近年低迷期に入り、アジア太平洋も同じ圧力に直面しており、地域経済協力の「分散化」などの課題の解決が必要だ。すべての地域貿易協定が広く支持されるべきであり、「開放・包容・互恵・ウィンウィン」を維持する。「平等に協議し、共に参与し、誰もが利益を得る」地域協力枠組みを構築する。「閉鎖的・排他的な協定」は正確な選択肢ではない。「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」の建設は、アジア太平洋の長期的な繁栄に関わる「戦略的措置」であり、「APECの夢」である。FTAAPの建設を断固推進し、アジア太平洋の開放型経済に制度の保障をもたらす。
習主席のこの発言には、明確な狙いがある。これまでアジア太平洋の地政学的駆け引きの激化、地域の対立のエスカレートにより、アジア太平洋地域経済協力のルール・方向を巡る争いが激化した。米日が主導し無理に押し付ける、いわゆる「高基準」のTPPは、新興の大国を排斥し囲い込む小さなグループを結託し、一時的に猛威を振るった。ところが今になり米国の政治の急激な変化により、実を結ばず終わるという苦しい状況に立たされている。これを背景とし、習主席の談話は課題を直視し、困難に立ち向かい、大勢をリードし、経済グローバル化を貫き、その改善に尽くすことを明らかにした。
(二)「相互接続の促進、連動的発展の実現」
相互接続は発展の潜在力を引き出す重要な手段であり、連動的発展を実現する前提条件だ。アジア太平洋全体を網羅する「全面的・複合型相互接続ネットワーク」の構築を推進する。アジア太平洋両岸の相互接続を推進し、より広い範囲に波及させることで実体経済の発展をけん引する。北京会議(2014年)で制定された相互接続の青写真の実行を徹底し、インフラ、制度・規則、人員交流による三位一体の相互接続枠組みを整え、2025年の全面的な接続という目標実現を保証する。
習主席が「一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)」という壮大な構想を打ち出してから、すでに3年が経過する。習主席は中国が各国と共に「共同協議・共同建設・共有」の原則を貫き、「政策の意思疎通、道路の連結、貿易のスムーズ化、通過の流通、民心のつながり」を推進すると強調した。発展戦略の連結を実現し、互恵協力を深め、地域経済発展と国民生活の改善に力強い動力を注ぐとした。また各国が一帯一路の協力に参与することを歓迎すると表明した。
(三)「改革と革新を促進し、内的動力を強化」
APEC首脳は2014年に北京で、「革新的な発展、経済改革及び成長の促進」で合意し、アジア太平洋地域の革新的な発展の道を指し示した。G20首脳は今年、杭州サミットで「革新的成長の青写真」を採択し、改革と革新の重要な意義を強調し、具体的な行動計画を策定した。アジア太平洋の各メンバーは、これらの共通認識と原則を実行に移し、発展方式のモデルチェンジを推進し、改革で経済構造調整を推進する決意を固め、全要素生産性を高める。「マクロ政策の協調」を強化し、構造改革を断固たる姿勢で推進し、前向きな効果の波及を強化する。
これは個別のアジア太平洋諸国、例えば日本当局の頑迷な「冷戦思考」「ゼロサム思考」と、抱き込みと結託に頭を絞り、中国に対抗し「孤立化」を図ろうとする徒労に向けられている。
国際情勢は未知数で、アジア太平洋の環境は複雑で変化が激しいが、このような乱雲の中でも落ち着きを保たなければならない。習主席は未来を見据え、中国がどの程度まで発展しようとも、中国は「アジア太平洋に根ざし、アジア太平洋を建設し、アジア太平洋に利益をもたらす」と力強く宣言した。また断固たる姿勢で平和的発展の道を歩み、互恵・ウィンウィンの開放戦略を推進し、自国の発展を求めると同時にアジア太平洋諸国全体の発展を積極的にけん引し、地域の人々により多くのチャンスをもたらすと宣言した。
(四)協力とウィンウィンを促進、パートナーシップを深化
パートナーシップは、アジア太平洋協力の重要な紐帯であり、現在の課題に共に対応するための必然的な選択だ。「運命共同体」の意識を深め、互いに離れるのではなく互いに歩み寄り、地域協力の深さと広さを増すことで共に場を形成し、共に規則を制定し、発展の成果を共有する。絶対に互いに相手の足元を掘り崩し、排斥し合うべきではない。
これは個別のアジア太平洋諸国、例えば日本当局の頑迷な「冷戦思考」「ゼロサム思考」と、抱き込みと結託に頭を絞り、中国に対抗し「孤立化」を図ろうとする徒労に向けられている。
国際情勢は未知数で、アジア太平洋の環境は複雑で変化が激しいが、このような乱雲の中でも落ち着きを保たなければならない。習主席は未来を見据え、中国がどの程度まで発展しようとも、中国は「アジア太平洋に根ざし、アジア太平洋を建設し、アジア太平洋に利益をもたらす」と力強く宣言した。また断固たる姿勢で平和的発展の道を歩み、互恵・ウィンウィンの開放戦略を推進し、自国の発展を求めると同時にアジア太平洋諸国全体の発展を積極的にけん引し、地域の人々により多くのチャンスをもたらすと宣言した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月21日
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