中日友好―若者の視点から―

叶璐(温州医科大学)

ある日、日本から一通の手紙が届きました。「なんだか中国に親戚ができたみたいです」。

これはこの手紙の中の一節ですが、わずか18字で、夏の思い出がよみがえってきました。

それは一年ほど前のことです。学校のサマープログラムで私は初めて日本に行き、1か月ほど過ごしました。

初めての日本に対して、どんな国だろうか、日本人は親切だろうか、また和食になじむことができるだろうかなど、不安でいっぱいでした。

一方、サマープログラムには「日本人の家で家族と一緒に生活する」というホームステイの項目があり、不安を感じながらもとても楽しみにしていました。日本滞在5日目に、ようやくそのホームステイが始まり、ホームステー先の奥さん―裕子さんともお会いすることができました。そして私はたった二日間でしたが、このホームステイのおかげで、貴重な体験をすることができました。

まず第一に犬のモモちゃんのことです。私は犬が苦手なのですが、モモちゃんは可愛くて、私の言葉が通じるように感じました。そして、お別れの日にはモモちゃんが悲しみで泣いているように見えたのを今でも覚えています。犬に近寄ることさえ怖くて、撫でることなど全然できない私は、ただ笑顔で手を振るしかありませんでした。こんなダメな私に対しても、これほど親切にしてくれて、私はとても感謝しています。

二番目に、日本の夏祭りに行ったことです。私が夏祭りに行きたがっていた裕子さんはわざわざ車でお祭りのある町へ連れて行ってくれました。そして浴衣、団扇、巾着袋などのも用意してくれていました。また写真をたくさん撮ってくれたり、おいしいチキン南蛮、伊達巻きなども作ってくれたりと私はとても感動しました。

また裕子さんの家族と過ごすだけではなく、彼女の友達もたくさん訪ねてきて、私と話しをしたり、歌を歌ったり、みんなで写真を撮ったりしました。本当に楽しい二日間でした。

そして帰国後も裕子さんとの繋がりは続いていてメールやウィーチャットでよく連絡しています。ウィーチャットは日本ではあまり使われていないインスタントメッセンジャーアプリで、日本人の裕子さんにとっては、連絡先の友人も私しかいませんが、彼女はずっとこのアプリで、私や私の家族とビデオチャットをしています。

この気持ちは、決して忘れることはありません。裕子さんと会えて本当によかったと思います。これもまたひとつの「中日友好」ではないでしょうか。

中日友好の道は、茨の道かもしれません。個人の力には限界があるかもしれません。でも小さなことから始めるだけで、茨の道を進むことができます。そして両国の相互理解を促進することができると信じています。

 

人民中国インターネット版 2016年12月

 
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