「一期一会の出会い、そして私たちの使命」 |
北條久美 初めての中国では見るものすべてに自身の想像を超えた感動がありました。街並みはきれいで北京や揚州の歴史を感じるものから中国で最も発展している上海の超高層ビル群、中国で出会った人々は皆心が温かく、さまざまな交流が心に刻まれるものになっています。 私は今回の訪中で主に3つのことを学びました。ひとつ目は、中国とのかかわりを持った人の使命は大きいということです。私は今回panda杯作文コンクールで日中友好についてのエッセイを書くまで、この中国研修に行くまで、中国を本気で知ろうなどとは思っていませんでした。ただ語学が好きで中国語を学び始めており、今回このような機会を得られ、中国の学生と直接議論することになった時、自分なんかが中国に行っていいのだろうかと不安になりました。しかし、北京に到着した2日目の日、人民大学に行くと、多くの学生が、明るく上手な日本語で出迎えてくれ、今まで心配していた事が何か忘れてしまうほどに、嬉しくなりました。そして議論はすべて日本語で行われ、日本と中国の職業観の違いと、日中両国国民の相互印象という2つのテーマについて2時間熱く語り尽くしました。その中で、相互印象については、共通してメディアを通してはお互いマイナスの印象を受けるという一方、個人で見れば、日本のアニメが好き、敬語を使うところが良い、中国人の心に距離を置かないところが好きだ、朝から大きな声を出せてすごいなどというたくさんの意見が飛び交いました。日本と中国はどちらも漢字を身近なものとして使い、同じアジア人で顔も似ていて、とても親近感を持ちやすいなと気付きました。そのとおりに私は交流した中国の学生とすぐに仲良くなり、同時に中国がとても好きになりました。今中国や日本に興味を持っていない人に、このように人と触れ合うきっかけを与えたいと思っています。そうすれば誰もが必ず互いの国に好印象をもてるはずです。そしてこのことを伝えて、機会を作っていくのはこの日集った私たちであり、私たちの使命だと確認しあうことが出来ました。 2つ目は、日中は兄弟のような関係であるということです。揚州では大明寺へ行き鑑真の境涯を知り、上海では魯迅の故居、魯迅記念館へ行き、魯迅の文学や思想、生涯を学び、ともに歴史に残る日中の関係を深く知ることができました。魯迅記念館での、日本と中国は兄弟のようで、たとえ、不満や憎しみが生まれても、会えばそれらは忘れられるものであるといった魯迅の言葉が心に残っています。魯迅と内山完造のような親友関係に中国と日本もなっていけたらと思います。次は私が中国人の友達を増やし、日中友好の道を開いていく番だと感じました。 3つ目に、誰もが一期一会の出会いを重ねる「民間大使」として日中友好を築くことができるということです。中国研修の全体を通してやはり一番印象に残ったのは”出会い”でした。研修前日に日本の中国大使館で表彰式が行われた時、程永華大使にお越しいただきました。その時の程大使は挨拶の中で、「これから中国に行くあなた達には日本と中国をつなぐ『民間大使』になっていただきたい」と言われ、その翌日からの中国研修で私は、様々な場所で出会う人々との交流を大切にして、必ず日中の友好に少しでもつなげていこうと決意したのです。研修3日目、中国外文局で人民中国の方々にお会いした時、一冊の雑誌を作るのにこんなにも多くの人の思いや苦労を知りました。絶対に私が人民中国の愛読者となって、周りの友達も巻き込んで読んで中国をもっと知っていこうと決めました。研修6日目、森ビルの星屋さん上海青年一行にお会いし、お話を聞く中で、21世紀、22世紀と未来の日中友好を担っていくのは私たち若者の役目だということを自覚しました。このように出会いは私の中国に対する思いを強くし、日中友好への決意を大きくしていきました。 すべて、今しかない一期一会の出会いです。スーパーのレジで出会った人との会話、北京、揚州、上海それぞれのホテルで、受付の人と交わした挨拶、レストランでチャイナ服を着たお姉さんが運んできてくれた美味しい料理、狭い道を歩いていた時に譲ってくれたお兄さんの笑顔、そして研修の企画・運営と、最初から最後までずっと一緒にいて支えてくれた家族のような人民中国をはじめとするみなさんの優しさ、中国人と触れ合った場面が忘れない思い出です。これらは普段新聞やテレビでは知ることの出来ないホンモノの中国です。私は本当に素晴らしい経験をさせてもらえたとともに、出会ったすべての人へ感謝で尽きません。目の前にいる一人一人との出会いを大切にする「民間大使」として、私はこれらの出会いを生涯忘れず、永遠に多くの人にホンモノの中国を伝えていきたいと思います。日中友好のため、そして世界平和へ貢献のために、今回の訪中研修で得たものすべてを活かしていきたいです。
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