「中国にまた何度も行きたい」

 

 井ノ下千夏

 今回初めての訪中だった私にとって、中国の全てが新鮮でした。隣国であるにもかかわらず、全く違った景色が広がる毎日に気分は高揚するばかりでした。

初日の中国人民大学での討論会では、同じ世代の学生と本音で討論する事が出来ました。日本と中国では考え方も異なるものの、お互い尊敬しあっている部分があり嬉しかったことを覚えています。中国も日本の事が嫌いなのだろうと、勝手に偏見を持っていた部分もあるだろうし、現地で生の声を聞けたことは私の大きな財産となりました。

また万里の長城をはじめ、北京は非常に寒く、日本では肌を刺すような寒さと表現しますが、骨を切る寒さと表現した方が良いのではと思うくらいでした。

揚州では、中国古来の風景が広がる痩西湖、鑑真ゆかりの地である大明寺、また揚州総博物館で歴史を学ぶことが出来ました。中国から日本へ脈々と受け継がれてきたもの、また中国の文化として成り立っているものがあり、もう一度時間をかけて巡りたい場所です。

北京、揚州の景色とガラッと変わったのは上海です。近代的なビルが立ち並び、展望台から見る夜景は格別でした。そして日本でも高く評価されている魯迅の地も巡り、都会的な上海、昔ながらの上海の二つを見る事が出来ました。

場所も変われば気候も変わり、食べ物も変わります。北京ダック、揚州チャーハン、小籠包どれも舌鼓をうつものばかりでした。

しかし変わらないもの、それは人の温かさでした。朝食バイキングでどこの席に座ろうと困っていた時、「あそこが空いているから座りな」とコックさんが助けて下さいました。また、寝台列車で同室の方が仲良くして下さり、楽しい一夜を過ごしました。

 今回の訪中を経て、私は何より考え方が変わりました。全てを純粋に受け入れるという事です。文化が違う為、最初はビックリすることの連続でした。しかし一週間という短い時間の中でも、中国の方の温かさに触れる事が出来ました。何度も行きたい、もっと色んな土地を巡りたい、そのような気持ちで今もいっぱいです。今回の訪中で出会えた全ての人に感謝します。

 


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