BRICSは色あせない

 

9月4日、G20杭州サミット開幕前夜、中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカで構成される新興経済諸国(BRICS)首脳が非公式会合を行った。世界経済が低迷する中で、「BRICSは色あせた(4)」との言論が沸き起こっている時期であり、今回の会合はとりわけ注目を集めた。

会合で習近平主席が述べた二つの言葉は、ここで再度取り上げる価値があるものだ。

まずは「BRICSは新興市場国と発展途上国の先導者であり、またG20の重要なメンバー国である」というものだ。再度BRICSの位置付けと役割を明確にし、またBRICSの未来に対する自信をはっきりと表したものでもある。よく知られているように、BRICSの総人口は世界人口の42・6%、経済総量(GDP)は世界の21%を占め、過去10年の世界の経済成長に対する寄与率は50%を上回っており、疑いもなく新興市場国と発展途上国の先導者である。

2008年に世界金融危機が起こると、世界経済には回復力が乏しく、BRICSの経済成長も総じて緩やかになり、発展は調整期に入っている。このような状況下で、習主席の言葉は、BRICSは色あせず、依然として世界の経済成長の重要なエンジンであり、新興市場国と発展途上国の重要な代表であることを世界に告げている。

習主席のこの論断には十分に現実的な根拠がある。BRICS各国はいずれも構造改革を進めており、経済成績には好転の気配が少なくない。中国を例にすると、今年上半期の経済成長率は6・7%前後で、世界経済に対する寄与率は25%を上回っている。

二つ目の言葉は「共にBRICSとG20という二つのプラットホームをしっかりと構築し、しっかりと擁護し、しっかりと発展させ、新興市場国と発展途上国が国際事務の中でより大きな役割を果たし、グローバル・ガバナンスの中でより主導的・有利な地位を占めるよう推進する」というものだ。これはBRICSがG20との間で緊密に協力し、互いに補完し合うことで良い結果を生み出すべきだという表明であり、平等、包摂などグローバル経済・金融ガバナンスの理念を体現している。こうしてこそ、BRICSの色はますます輝き、世界により多くの自信と希望をもたらすのだ。

10月16日、BRICS首脳による第8回の会合がインドのゴアで行われた。5カ国は「効率的かつ包摂的、共通した解決策を打ち出す」というテーマをめぐって、BRICSの協力、その他共に関心を持つ国際的地域的問題について、突っ込んだ意見交換を行い、幅広い合意を得た。習主席は、中国は各国と共に、手を携えてBRICSの発展の新たな青写真を描くことを望んでおり、BRICSの協力は世界の平和、安定、繁栄を促進すると信じていることを強調した。

1年のうちに、BRICS首脳は2度にわたって会合を行い、合意を得たことは、これまでにも例が少ない。そこから、中国は世界第2の経済体と世界最大の発展途上国として、新興市場の安定、世界経済の繁栄、協力する包摂的な国際経済秩序の構築の面で体現した責任感、積極性および注いだ努力が見える。

 

 

 

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