製造分野での国際協力 | ||
「中国は大量の中級品とその生産能力を有し、先進国はハイエンドの技術・設備を持っている。海外投資、プロジェクト請負、技術協力などの方法で、中国と先進国の優位性を結び付け、価格が低く質の高い製品を生産して幅広い発展途上国のニーズを満たし、中国の産業グレードアップと先進国の輸出をけん引する」という李克強総理の談話は、国際的な生産能力協力についての最も良い解説といえる。
今年は中国の国際的生産能力協力の布石の年であり、また重要プロジェクトを実施する年でもある。商務部(国務院に属し経済と貿易を管轄する部門)の統計データによれば、第3四半期までに、中国の非金融類の海外直接投資額は1342億2000万ドルとなっており、2015年の通年の同総額を上回った。製造業の海外投資は倍増を実現し、情報技術サービス業の海外投資額は昨年同期の4倍に達している。域外経済貿易協力区の建設も緒に就いた。中国企業は36カ国に77の域外経済貿易協力区を建設し、累計で233億9000万㌦を投資した。 林毅夫・中華全国工商業連合会常務副主席は「『一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)』沿線諸国は生産能力協力の重点地域であり、すでに今年は実際的な成果を得ている。生産能力協力のけん引の下、これらの国は産業のグレードアップを開始した。『一帯一路』沿線諸国の急速な発展は、経済が低迷する欧米の先進国のために一つの新たなマーケットを生み出しており、これは全世界にとって利益のあるものといえる」と述べている。この発言から、中国が提唱する国際的生産能力協力は国内の立ち遅れた生産能力を「お荷物」として海外に捨て去るのではなく、対象国の工業化レベルの現状に基づいて、彼らがより整った工業システムと製造能力を打ち立てるのを助け、共同発展の目的を実現するものであることが見て取れる。 中国がリードする国際生産能力協力は、まさに互恵・ウインウインの協力観を際立たせているため、中国国内企業間の協力を強め、産業クラスターを形成するだけでなく、さらに、国際的な二国間、多国間の産業協力を強めている。発展途上国の発展を促進しているとともに、先進国の技術、資金、経験の優位性をも発揮し、「互恵・ウインウイン」を「互恵・トリプルウイン」「互恵・オールウイン」(7)へとグレードアップするものだ。
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